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会社法設立

2009年11月17日 (火)

発起設立の発起人への株式の割当ては金銭の額に応じて割り当てる必要があるか?

冬には、「暑さより寒いほうが嫌いです」と答えるようにしています(報告)

さて、発起設立においては、定款に定めがある場合を除き、発起人全員の同意をもって、発起人が割り当てを受ける設立時発行株式の数を定めなければなりません(32条1項1号)。

ここで、A発起人が10万円の出資をもって100株の割当てを受けるのに対して、B発起人は200万円の出資をもって10株の割当てを受けることができるのか平等の観点から問題となります。Aの親父Bが奮発して出資をするけど、その経営権については息子であるAに議決権の大多数をもたせ、経営権を委ねるような場合が考えられます。

出資については、例えば募集株式の発行等の局面では、199条第5項に定められているように、「募集事項は、募集ごとに均等に定めなければなりません」とあります。全株主及び引き受ける者が同意をしたとしてもこの原則は曲げることはできず(強行法規)、出資に応じて、株式の割当てが決定されることになります。

したがって、株主平等の原則という表看板を掲げれば、発起設立の出資の割当てについても募集株式の発行等と同様にできないようにみえるますが、なぜか解釈上割当ては金額に応じずにできることが一般的に言われています(ちなみに、募集設立の株式の発行では不可です)。

不思議ですねぇ~。

株主平等と発起人の平等の平仄がとれていないような気がします。設立前は、全員の同意があれば株主(発起人)平等の原則の射程は及ばないのですかね。

出資の額に応じて割り当てないでよい形式的な理由付をするのであれば、募集株式の発行等と比して、設立の際には、「均等に定めなければならない」という規定がないからですかねぇ。会社法特有の「規定がないからできる・禁止されていないからできる」といったところですかね。

ただし、出資に応じない割当ての場合には贈与税等の税金との兼ね合いはどうなるんでしょうか。

ぐだぐだした自分の感想を述べてシマイマシタ…

では、また。

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2009年10月21日 (水)

発起設立の際の預金通帳の名義人は司法書士でも可能か?

眼鏡のレンズを変えたらそこは新世界だった(報告)

さて、発起設立の場合には、基本的には発起人代表が払込みを受ける地位にあることから預金通帳の名義人は発起人となることが前提とされています。

実務においても発起人口座の必要部分をコピーして、代表取締役が設立のための払い込みに相違ない旨の証明を提出することになります。

この口座名義人ですが、同族会社の設立を予定している場合ですと、発起人=代表取締役となる事案がほぼ100パーセントですので、口座名義人について検討することがあまりありません。その発起人が通帳をもっていなくても新しく通帳を作ってもらうことで事足りますので。

一方で、発起人と代表取締役(日本に住所を有する方)が異なる場合、すなわち出資者と経営に携わる方が異なる場合であっても、基本は発起人に口座開設を要求することが多いと思います。

しかし、発起人が外国人の場合等では、通帳をもっていなく、地元の信用金庫ではなかなか口座開設がスムーズにいかない場合もあります(実感)。この場合に、新しく通帳をつくってもらうというよりは、設立にかかる出資の払い込みを受領する権限を代表取締役に与えるほうが手続き的に早く、かつ簡便であることが多々あります。

では、さらにこの払込みの受領権限を代表取締役ではなく、まったくの第三者に与えることはできるのでしょうか。例えば、設立登記の申請代理人である司法書士に委任することはできないのでしょうか。

この取扱いについては法務局に出向いて登記官に聞いたことがありますが、なぜかそれはだめというものでした。

代表取締役に委任することができるのなら、第三者であってもいいじゃないかと正直思ってしまいました…申請代理人である司法書士でもだめなのかと、なんら根拠もないがっかり感を感じました。まぁ申請代理人のわたくしが受領するとろくでもないことが起こるんじゃないかと疑っておられるのかと、若干邪推も働いたものです。

第三者名義ではだめだというその理由は、煙に巻かれたのか、私の理解力が足りなかったせいか正直覚えていませんが、今推測するに、第三者の口座に振り込まれた場合に、その出資が適切に会社のために使われるのか信頼がおけないというのが、第三者名義を拒否している理由なのではないかと思います。まだしも代表取締役であれば、その職務の性質から適正に使用する義務が生じますので明らかに会社と関係のない第三者とは異なります。

この点、商業登記ハンドブック(初版)では、第三者名義の通帳については、「その必要性に乏しく、逆に設立に際しての出資の名目で第三者に資金が提供されることに伴う弊害を懸念する観点等から」認めていないとしています。

払込んだ人の名前まで通帳に記載することを要求していない今の取扱いを踏まえれば、誰が払ったかわからない資金が、会社のまったく関係ない者の口座に入ったとたんに急に会社の資本として適法に登場すること、すなわち、下手をすればマネーロンダリングに利用されたりしたら困るということですね。

おそろしや~おそろしや~

まぁ、口座を開設するのが難しかったら、今でもある払込金保管証明書を提出することになる募集設立の検討も必要かもしれませんね。

では、また。よい夢みてください。

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2009年7月 1日 (水)

出資金の払込用口座の開設及び受領権限の委任はできるのか?

昨日はココログのメンテナンスの日だったんだ…メンテナンスの日は必ずトラブルが起こるんですな。

さて、会社の設立の際に、発起人は設立のために必要な行為を行うことができます。ここで設立のための必要な行為の範囲については学説上、解釈が分かれております。

解釈が分かれていますがここでは、実務的な視点として、出資金の払込用口座の開設は発起人の権限であるのかそれとも、設立時の代表取締役の権限となるのかを具体的に考えたいと思います。

これについては会社法上、直接規定されていませんが、34条2項では、「発起人が定めた銀行等~(省略)~の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。」とされていますので、発起人が払込みの場所の決定権限があることから間接的に理解できます。

(「払込み」、「払込」、「払い込み」の違いはもちろんありますが、ここではスルーさせていただきます…あしからず)

問題点① 日本に口座をもっていない外国人の場合は?

発起人に日本の銀行の口座(※注1)を作ってもらえば問題はありませんが、日本に渡航したての外国人の場合に、金融機関(私の感覚では地方の信用金庫では特に)での口座の開設は難しいか、もしくは時間がかかるのが実情かと思います。

(※注1:銀行等の定義については、会社法34条及び施行規則7条の規制があります。外国の銀行の日本支店は、銀行法47条によって該当しますが、この点について間違ってたらご指摘ください。外国の銀行の支店を設立段階でまだ扱ったことがないもので)

そこで、手続としては、発起人にある払込用口座の開設権限及び払込金の受領権限を設立時役員の日本人に委任することが考えられます。日本人だと簡単に通帳が作れてしまいます。そのためには、発起人の決定事項の中のひとつとして、上記の委任事項を記載しておくことで対応できます。

外国人が発起人となった場合と外為の関係は(…不勉強ですんません。日銀のHPをみてください)。

問題点② 設立時役員以外の第三者に口座の開設権限及び受領権限を委任することは可能か?

日本人がひとりもいない会社の場合(もちろん役員の一人は、日本に住所を置いていることを前提とします)、どうする取扱いをすることができるのか問題となりそうです。この視点の射程として、クライアントから登記の委任を受けた司法書士の開設している口座でも可能なのかどうかといったところも踏まえて検討すると有益かと思われます。司法書士の口座でも可能であれば、見せ金、預け合いの防止に一役買うかもしれません。

この点、口座の開設権限等の「委任」に基づくものなので、当該委任契約が一身専属的なものでもありませんので、特段禁止する意味合いはないと私は考えております(しかし、実例として聞いたことがありませんので、責任は持ちません)。

では、また。

2009年6月28日 (日)

電子認証定款の保存媒体

公証役場で会社設立用の定款を認証していただくのですが、この認証された定款の保存媒体については地方差があるみたいです。電子認証の萌芽期では、私の勤務地の公証役場についてはFD(フロッピーディスク)のみの取り扱いでございました。

最近FDを使用していないので、懐かしさはありました。

しかもFDがウィルスに感染している可能性もあるという理由で、FDは公証役場で新規に購入(50円取られます)する具合になっております。

①なぜ、FDなのかという疑問と、②わざわざ50円出して購入する手間への疑問がいつも頭の中で駆け回っておりましたが、ついに①の悩みが解決されました。

なんと(?)、「CD-R」での保存ができるようになりました(もちろんFDでも可能)。これでクライアントさんからなぜFDなのかというツッコミがなくなり、会話のきっかけが一つなくなってしまいましたね。

しかし一方で、このCD-Rですが、100円に値上がり。

むむむ…値切るわけにもいかず、まだまだ②の手間に悩みそうな新米司法書士でございました。

では、また。

2009年6月27日 (土)

オンラインでの定款の認証と公証役場事務

暑いですねぇが早くも毎日のあいさつ言葉になってきた新米司法書士です。しかし、冬生まれにもかかわらずわたしは暑さには滅法強く(生まれは関係ないかも)、そんなに暑さがいやではありませんが。

さて、株式会社を設立する場合に、会社の定款をまず作成しなければなりません。そしてその定款に対して公証人の認証を得る必要があります。

この定款の認証ですが、オンラインで申請した場合には、電子定款は印紙税の対象文章には該当しなくなるため、貼付用の印紙の4万円分が浮くことになります。

このインセンティブのおかげで、いまや定款の電子認証をおこなっていない司法書士はいないぐらいです(不動産登記の場合に、登録免許税が5000円の割引だというインセンティブの場合と比較すれば利用価値はかなり高い)。

そのおかげで定款の電子認証が込み合ってくる事態が週末や月末にかけて多くなっています。どうやら、電子認証用の定款の受付自体はシステムの都合上、全国で100件までしか入れることができないらしく、その受付中の100件が随時認証されてからでないと、新規の受付さえもできないらしいのです。

しかも、この新規受付自体は、システムに空きが出た段階で早いもの順らしく、ぼーとしていれば永遠に認証システムに入れない模様です。

そのため、金曜日に認証が降りる予定だった件が週明けにずれ込んでしましました。

余裕をもったスケジュール作りで事なきを得そうですが、同業者のかたも日程には十分にお気をつけください。老婆心ながら。

では、また。

2009年5月 8日 (金)

設立の際の金銭出資の払込場所を複数定めることができるか

(報告)家の電球がたてつづけに切れて困ってます。

設立時発行株式の引受け後遅滞なく、その引き受けた設立時発行株式につき、その出資に係る金銭の全額を払い込む必要があります(34条)

その払込場所については、発起人が定めることを要求していますが(同条2項)、その払い込み場所については、銀行法に規定する銀行と、施行規則7条を受けた場所が該当することになります。

通常は、ひとつの金融機関を発起人の間で決定し、その金融機関に金銭の全額を払い込むことになると思います。

ここで、発起人が定めることになる上記の払い込み金融機関ですが、複数の金融機関を定めることができるのか問題となります。例えば、A発起人は地元の信用金庫を指定し、B発起人は都銀を指定しており、その決定がまとまらず、ではふたつにしてしまえばといった場合です。

複雑になるので、ひとつの金融機関でいいのではないかとの意見があると思います。しかし、複数の払い込み場所を設けるメリットとして、今後、新しく設立する会社と金融機関との付き合いを考慮して、発起人段階から複数の金融機関との関係を強化しておきたい要望等や、発起人の振込み金融機関への物理的距離が考えれれるます。ネット振込みだと物理的距離は考慮に入れることがないのですが、それでもやはり、当該金融機関へ出向くかたも未だに結構おられるのではないかというのが私の感覚です。

複数の金融機関を指定することができるとする最大の論拠は、条文上、文理解釈するならば複数の金融機関を定めることを禁止していないことが挙げられると思われます。(もしも禁止しているならば、34条2項の条文規定は、「発起人が定めた一の銀行等~(以下省略)」が想定されます)

どちらの方か、具体的に複数の金融機関を指定された方がおられれば、ぜひご教授いただけたら幸いです。

では、また。

2009年5月 1日 (金)

特例有限会社から株式会社への移行の際の印鑑証明書添付について(1)

(報告)GWはなにをしようかいまさら考え中です。

特例有限会社が通常の株式会社への移行は、株式会社への商号変更決議と移行の登記をすることによって効力が発生します(整備法第45条)。

移行に当たって、通常の株式会社は、取締役会を設置するか否かを選択できるため、特例有限会社とは、その機関設計に大きく違いが出てくるため検討を要します。

ここでは、登記必要書類の観点からの検討として、「誰」の印鑑証明書を「なんの根拠」によって、添付する必要があるのか考える必要があります。

個人の印鑑証明書添付の根拠は、下記の商業登記規則第61条に規定されています。出発点としては、特例有限会社から通常の株式会社への移行による「設立」ですので、61条2項がまず適用されます。

そのうち、①移行と同時に取締役会を置かないまま通常の株式会社へ移行する場合には、規則61条第2項の規定によりますので、取締役の就任承諾書に係る印鑑証明書を添付する必要があります。(※再任の場合には、後段の規定により添付省略可能です)

また、②移行と同時に取締役会設置会社になる場合には、規則61条3第3項の規定により、代表取締役の就任承諾書にかかる印鑑証明書の添付をする必要があります(※ここでも代表取締役の再任の場合には、添付省略可能です)

続く

商業登記規則抜粋

(添付書面)
第61条  定款の定め又は裁判所の許可がなければ登記すべき事項につき無効又は取消しの原因が存することとなる申請については、申請書に、定款又は裁判所の許可書を添付しなければならない。
2  設立(合併及び組織変更による設立を除く。)の登記の申請書には、設立時取締役が就任を承諾したことを証する書面の印鑑につき市区町村長の作成した証明書を添付しなければならない。取締役の就任(再任を除く。)による変更の登記の申請書に添付すべき取締役が就任を承諾したことを証する書面の印鑑についても、同様とする。
3  取締役会設置会社における前項の規定の適用については、同項中「設立時取締役」とあるのは「設立時代表取締役又は設立時代表執行役」と、同項後段中「取締役」とあるのは「代表取締役又は代表執行役」とする。
4  代表取締役又は代表執行役の就任による変更の登記の申請書には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該各号に定める印鑑につき市区町村長の作成した証明書を添付しなければならない。ただし、当該印鑑と変更前の代表取締役又は代表執行役(取締役を兼ねる者に限る。)が登記所に提出している印鑑とが同一であるときは、この限りでない。
一  株主総会又は種類株主総会の決議によつて代表取締役を定めた場合 議長及び出席した取締役が株主総会又は種類株主総会の議事録に押印した印鑑
二  取締役の互選によつて代表取締役を定めた場合 取締役がその互選を証する書面に押印した印鑑
三  取締役会の決議によつて代表取締役又は代表執行役を選定した場合 出席した取締役及び監査役が取締役会の議事録に押印した印鑑

2009年4月30日 (木)

現物出資による設立はまれなのか(補足)

発起人の出資の履行については、発起人が割当てを受ける設立時発行株式を前提に行われます。

そして、その割当てについては、定款又は32条1項の規定により、発起人全員の同意により定められることになっています。

ですので、定款の認証を受ける前であっても、①定款が作成されて発起人の引受けが確定している場合、②発起人の同意により発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数が確定しておれば、「認証前」であっても出資の履行は行うことができるものと考えることができると思います。

(ただし、②が①より先行することは、定款の絶対的記載事項として発起人の確定が必要(27条5号)ですので、発起人が定まることが割当てを受ける株式数の決定の前提条件となりますので、物理的にありえません)

以上より、金銭での出資と、定款作成日との関係は重要であることを付記しておきます。

なお、民四103号回答(昭和31年5月19日付)の通達では、

「定款認証前に株式の引受け及び役員の選任をなし、その後定款の認証を受けている株式会社の設立の登記申請は受理してよい」

とされています。

では、また。

2009年4月26日 (日)

現物出資による設立はまれなのか(2)?

そこで、考えているのが、定款作成前に通帳だけでは、金銭の振込み(34条)には該当しないが、その通帳預金を発起人の金融機関に対する債権として構成し、その債権を、現物出資として会社に提供する方法は可能なのかということです。

当然、現物出資ですので、28条の変態設立事項に該当し、定款にはその預金の記載をします。そして、その額が500万円を超えなければ検査役の調査も不要ですので(33条10項第1号)、スムーズな設立手続になるのではなかろうかと思案しているところです。

(500万円以上であっても、弁護士さん、税理士さんの証明を受ければ検査役の調査は要しませんが、いかんせん調査費用がかかりますので、出資の額は500万円を超えないほうがベターなのではないかと思います)

このスキームであれば、わざわざ、発起人のかたに通帳から資金の移動をすることを依頼せずにいくのではないでしょうか?

つまらない考え事でした。

では、また。

2009年4月23日 (木)

現物出資による設立はまれなのか(1)?

会社の設立としては、発起設立と募集設立の2パターンがあります(新設分割等による他の会社が関与する場合は除きます)

そのうち、中小企業の会社設立は、発起設立によることが多いのではないのでしょうか(私自身、募集設立をしたという人を聞いたことがありません)。

会社の設立の際によく悩むのは、発起人の方が定款作成等の前にすでに通帳にお金をいれている場合です。会社設立の流れの中では、条文構成からも明らかのように、

①まず定款を作成しなければなりません(26条)。

そして、②設立時発行株式に関する事項を決定します(すでに定款で決定していることが実務多いですが)(32条)。

③そして上記の設立時の株式の引受けが完了した後に、出資の履行をすることになります(34条)。

ですので、未だ定款作成が完了していない段階での出資の履行(?)らしい、通帳への入金は、本来の設立の手順を踏んでおらず、設立無効のおそれがあります。

ここで、定款作成日を、入金の日付より前の日をもって作成すると、登記上は法の手順を踏んだものとして申請も通ります(よいことだとは思いませんが…わたしはやりませんし)

ですので、わたしは発起人のかたに、定款作成が完了し、公証人の認証がおりた後に、通帳から資金をいったんおろしてもらい、再度入金をしていただくことにしています。

これが、34条1項の「その出資にかかる金銭の全額を払い込み」に該当し、商業登記法47条2項5号の「払い込みがあったことを証する書面」に該当すると考えています。

続く

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