「その時、歴史が動いた!」(ただ言ってみたかっただけです)
さて、とある信託銀行さんの大阪営業所が立替工事の完了により来月に移転されます(従前の場所に戻ります)。株主名簿管理人を設置されている会社で、大阪営業所を株主名簿管理人として契約している場合には、その変更登記が必要になります。
クライアントさんからの登記のご依頼により、株主名簿管理人の営業所変更に関する委任状を用意するのですが、よく次のようにご質問を受けます。
「株主名簿管理人の謄本は入りますか?」
このご質問に対しては、
「株主名簿管理人の営業所の変更登記には委任状だけで大丈夫ですよ、設置の際の取締役会議事録も、定款も、株主名簿管理人との契約書も不要です」
と説明させていただいております。
ところが、会計監査人の監査法人さんが最近有限責任化される際に、会計監査人の名称変更登記も受託していたクライアントさんの場合には、どうやらこの取扱いが不思議のようです。
会計監査人の名称変更は、当該監査法人の登記事項証明書が要求されています(商業登記法54条3項)。一方で、株主名簿管理人の場合には前記したとおり、添付規定がないので不要となっております。
この取扱いの違いを、ちょっと考えてみたことを記載したいと思います。
まず、会計監査人の名称変更の際に登記事項証明書の添付が必要な根拠としては、名称の正確性を確認するためだというのがもっともな理由だと思います。しかし、この正確性を確認するというのであれば、この添付する取扱いの射程としては、登記の変更の際のすべてにおいて添付が必要というのが正しいはずです。したがって、この根拠を正当化するためならば、取締役の住所変更やらもすべて住所の移動のわかる住民票を添付!となりそうです。
ですので、名称の正確性だけが添付の理由ではなさそうです。
するとなぜ添付が必要なのか?思うに、前提として監査法人事態の名称変更は定款の変更として、総社員の同意が必要となります(公認会計士法第34条の10)。そして、当該変更は、監査法人の登記事項ですので、すべての監査法人において登記がなされることになります。この変更には変更年月日の記載が入りますので、この変更年月日を証明するために、もしかしたら添付するのかな、と思った矢先にいやいや登記事項証明書は履歴事項でなく、現在事項一部証明書でもいけてるやんっと勝手に前言撤回。
じゃぁ、これはどうかと思ったのが、株主名簿管理人の営業所の変更の場合に添付が不要な根拠ってなにって観点からの検討です。
株主名簿管理人の登記事項は、株主名簿管理人の「氏名又は名称及び住所並びに営業所」となっております。
まてよ、「氏名」ってことは個人を想定しているのかなと。はて、株主名簿管理人の資格要件って会社法にあったのかなと記憶を探ってみましたがそのような規定はないのですね、はい。一般的に信託銀行がなるイメージが強いのですが、誰だって株主名簿管理人になれるのです(123条参照)。
ですので、「うっかりはちべえ株主名簿管理人事務所」なんていう個人事務所で営業していた場合には(自分のセンスのなさにげっそりしますねぇ)、その営業所は個人商号ですので登記は任意(商号の登記)となり、登記がない=登記事項証明書が発行されないケースもあります。
すなわち、株主名簿管理人が個人であった場合にその営業所が移転したとしても登記事項証明書では証明することができないことになりそうです。
このような場合も想定して、株主名簿管理人の営業所の変更登記では、添付書類がいらないのではないかと考えたりしました。
一方で、監査法人の場合にはかならず登記簿ができて、名称変更されたことが登記事項証明書から明らかになるので添付ができる=必要となる、というのが理解としては間違いないのではないかと考えています。
どうなんでしょうか?詳しい理由をご存知のかたがおられましたら、ご教授ください。
では、また。

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