種類株主総会の決議を一部の事項につき要しない旨の定款の定め~拒否権付株式との交錯
会社法第322条第2項及び第3項によると、「株式の種類の追加」、「株式の内容の変更」、「発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数の増加」の場合を除いて、種類株主総会の決議を要しない旨を定款で定めることができることが規定されています。
当該決議を要しない旨は、気をつけなければなりませんが、「株式の内容」ですので登記事項になります(911条3項7号)。きれいに登記されるためにどのように配置するかという職人技について記述することも興味が尽きないのですが今回は横においといて。
この株主総会の決議を要しない規定を定款に設けますと、会社法322条1項2号から13号に到るまでの各規定について、本来の株主総会とは別途、種類株主総会の決議を要しないことになります(3項参照)。
では、322条1項各号のうち、一部についてのみ当該決議を要しないこととすることは定款で定めることが可能か問題になります。
(例えば、7号に規定がある合併の際にのみ種類株主総会を開くニーズがあり(合併については種類株主のご意向(賛否)を伺うことがベターだと判断される事情があるような場合)、合併以外の場合にはわざわざ種類株主のご意見を伺う必要のないようなケースです)。
このニーズを認めるということは、いわば、合併の場合についてのみ種類株主総会の開催を要求するということになります。とするならば、108条第8号の拒否権付株式と同様の機能を担うことになりそうです。
この点については、108条1項8号の拒否権との関係が興味深いところです。
この点、江頭憲治郎『株式会社法(初版)』によりますと、全部の事項についてのみ定める必要があり、一部の事項についてのみ、種類株主総会の決議を要しないとすることはできないとしています。
その理由として、322条各号の事項以外に種類株主に損害を及ぼすおそれのある行為がある行為が存在する可能性を否定できないため、l「一律の処理」が望ましいことが挙げられています。
すなわち、322条1項各号以外でも種類株主総会を開催する必要がある場合があり、当該場合の対応が極めて不明確になることによります。
この場合は、拒否権付株式で対応しなさいということになりそうです。
拒否権付株式とはまだであったことがなく、未知数です、はい。
では、また。




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