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会社法組織再編

2009年12月14日 (月)

有限会社が吸収合併存続会社となる?の補足

過日、有限会社が吸収合併存続会社となる?なるテーマで記事をかかせていただきました。

この記事に対して、諸先輩方より貴重なコメントをいただきましたので、今回はその補足という形で記事にさせてい頂こうと思います。

有限会社が存続会社となる吸収合併は整備法において禁止されているところです(整備法37条)。しかし、存続会社となる有限会社が株式会社への移行を停止条件とする合併の場合にはこれを行うことができます。

この点について、『商業登記ハンドブック』568頁(初版)によれば(2版は未読のため…)、

「解釈論にわたる部分であるが、特例有限会社が商号の変更により通常の株式会社に移行することを停止条件として、自らが吸収合併存続会社又は吸収分割承継会社となる合併又は会社分割については、会社法整備法37条に抵触しないものとして、現在の登記実務上は許容されている。」

と述べ、渡部吉俊「会社法施行後における商業登記実務の諸問題(4)」登記情報546号(2007,5)30頁を引用する形で次のように述べています。

「この場合には、吸収合併契約(法749条1項1号)に特例有限会社の商号のほか、商号変更後の商号を記載し、当該合併が通常の株式会社となることを停止条件とする旨をも記載した上、債権者保護手続に係る公告(799条2項)においても、これらの事項を記載し、かつ、最終事業年度に係る貸借対照表の要旨の内容(同項3号、施199条7号)を示す等の方法によることが考えられる。」

この論拠は、商号変更を停止条件とすることに置いています。そのため、施行規則199条についても株式会社に移行することを条件にした「7号」の適用になると解されています。

補足として、またはしもと様に対するお返事として、本文において換えさせていただきます。今後ともよろしくお願いいたします。

では、また。

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2009年12月 2日 (水)

新設分割による同一所在場所及び同一商号の禁止の例外

12月に入り、忘年会季節宣言をわたしは勝手にしております(報告)

さて、商業登記法第27条では、「商号の登記は、その商号が他人の既に登記した商号と同一であり、かつ、その営業所(会社にあっては、本店。)の所在場所が当該他人の商号の登記に係る営業所の所在場所と同一であるときは、することができない」とされています。

実体の異なるA株式会社が同じ場所にあるような登記はできないということです。

しかし、何年か前に友人から、新設分割の件で上記に該当する場合があるので登記はできないのではないかということを相談されたことがありました。しかも、かなりの規模の会社なので間違いました、ごめんなさいではスマナイ案件だった気が(会社の大小で仕事の打ち込み具合が変わる事はありません、念のため)…

その内容は、

まずA株式会社というのがあり、その会社が新設分割によって、100パーセントの親子関係となる子会社を新規に設立するものでした。ついで、新設分割の目的が、持株会社化(ホールディングス化)のためなので、新設される子会社を事業会社とし、既存の親会社であるA株式会社は持株会社として存在するというものです。

ここで、実務上は、ホールディングス化によって既存の会社の商号を、新設分割が効力発生することを条件に、「○○ホールディングス」とする変更を新設分割の効力発生日たる登記の日をもってすることが多々あります(今回でいえば、「Aホールディングス株式会社」)。また、同時に、新設される事業会社の商号を既存の会社の商号と同じ「A会社」とする新設分割をします。

この際の登記申請は、まず、①従前のA株式会社と同一所在場所に同一商号を用いた会社を新設分割により設立し、②連件で、従前の「A株式会社」を「Aホールディングス株式会社」と商号の変更をすることになります。

すると、①の新設分割の登記を申請する段階では、いまだ登記記録上、既存の「A株式会社」が、新しく新設分割により設立される会社の同一所在場所にあります。したがって、形式的には、①の登記完了をもって、上記商号登記法第27条の「同一所在場所及び同一商号」にA株式会社が2社該当することになります。ということは、本来的には却下事由になってしまいそうです。

この話を聞いたときに、もう新設分割の議案も株主総会で通っちゃってるし、「南無阿弥陀仏」、「司法書士として逝ってしまった」、「逃亡」と不吉な言葉が頭の中を駆け巡りました。

しかし、どうやら無事に登記もとおり、その友人も、「整形して国外逃亡せず」にすみました。

しかし、私の中でもどうして登記が通るのか、常に???の状態であったわけですが、最近のQ&Aを見ているとたびたびこの事例に遭遇します。

月報司法書士11月号(2009)9頁においても、当該事例について軽くではありますが、言及されております。

そのサマリーは、「後件の商号変更の登記がされる限りにおいて、新設分割による設立の登記が商業登記法27条に違反することとはならないから、これらの2個の登記の申請は、いわば一体として取り扱うべきものと考えられる」とされています。

瞬間的、刹那的に「同一所在及び同一商号」とみるのではないということなのですね。

ただ、解釈論としては、多少無理があるのではないかと思います。この射程として、新規の単純な設立と、商号変更が連件で出された場合にも及ぶのかどうか、すなわち、上記の解釈は新設分割のみに該当するのか定かではありません。

個人的な見解に過ぎませんが、現在の運用はやはり解釈の限界であって、要は、おかみが目を瞑っているんだなと考えています。この点については、商業登記法の改正が必要なのではないかと私は考えてしまいます。現行27条に但書きを設けるような形で、「但し、登記申請が連件で同一所在場所及び同一商号とならない変更の登記があるときにはこの限りにはあらず」的なものではどうでしょうか。

実務上、新設分割の際には、疑義が解消されたので、今のところは困ることはないのですが、少々頭の体操になりそうです。

では、また。

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2009年12月 1日 (火)

債権者保護手続の頁の記載

内藤さん、負けてしまいましたね~。

さて、組織再編における官報公告をする場合については、消滅会社については、会社法789条、存続会社については799条に規定があります。

これを受けて、消滅会社では(なお、存続会社側の規定は省略いたします)、施行規則188条で詳しい内容が設けられています。

今回、取り上げる会社の公告で検討すべきは、同条1項1号ロの日刊新聞紙で計算書類を公告をしている場合です。

同号では、日刊新聞紙で計算書類の公告をしている場合には、官報に、当該日刊新聞紙の名称、日付、掲載されている頁を記載することを要求しています。

なるほど、日刊新聞紙、日付等で特定するわけなんだなと私は当然のことのように理解するわけですが、本日付けの官報公告ではこれでもいいんだという事例があったので紹介します。

http://kanpou.npb.go.jp/20091201/20091201h05205/20091201h052050031f.html

掲載頁が、神奈川県版…、経済面…、第一社会面…

これでもいいんですね。具体的な数字を出さないといけないと思っていました。

よい勉強になります。では、また。

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(計算書類に関する事項)
第188条  法第七百八十九条第二項第三号に規定する法務省令で定めるものは、同項の規定による公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日における次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定めるものとする。
一  最終事業年度に係る貸借対照表又はその要旨につき公告対象会社(法第七百八十九条第二項第三号の株式会社をいう。以下この条において同じ。)が法第四百四十条第一項又は第二項の規定により公告をしている場合 次に掲げるもの
イ 官報で公告をしているときは、当該官報の日付及び当該公告が掲載されている頁
ロ 時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙で公告をしているときは、当該日刊新聞紙の名称、日付及び当該公告が掲載されている頁
ハ 電子公告により公告をしているときは、法第九百十一条第三項第二十九号イに掲げる事項
二  最終事業年度に係る貸借対照表につき公告対象会社が法第四百四十条第三項に規定する措置を執っている場合 法第九百十一条第三項第二十七号に掲げる事項
三  公告対象会社が法第四百四十条第四項に規定する株式会社である場合において、当該株式会社が証券取引法第二十四条第一項の規定により最終事業年度に係る有価証券報告書を提出しているとき その旨
四  公告対象会社が会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第二十八条の規定により法第四百四十条の規定が適用されないものである場合 その旨
五  公告対象会社につき最終事業年度がない場合 その旨
六  公告対象会社が清算株式会社である場合 その旨
七  前各号に掲げる場合以外の場合 会社計算規則第六編第二章の規定による最終事業年度に係る貸借対照表の要旨の内容

2009年11月27日 (金)

官報公告の知識いろいろ(資料編)

官報公告について、いろいろと詳しく説明されているHP等です。

官報販売所のHPhttp://kanpo.net/

ある公告マンの独り言

(またしても、他力本願、草薙先生に教えていただいたものです)

では、また。

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2009年11月26日 (木)

どんとこい、数十社合併

どうも、官報ウオッチャーの関西勤務司法書士です。

さて、今日の官報公告の合併は見ごたえがありますね。

http://kanpou.npb.go.jp/20091126/20091126g00249/20091126g002490081f.html

甲が存続会社となり、乙1~乙53が消滅。53社って…

もう、こんな手続をした人をおがみそうな勢いです。私なんて、公告のどっかに誤字脱字なんてあったらと思ったら、国外逃亡でも常々企ててしまいそうです。

また、同じ企業グループが同日付、かつ、効力発生日を同じくする吸収分割も行っております。

通常、吸収分割の公告事項には、「○○事業に関する権利義務を承継~」といったように特定することが実務上多いのが実感です。しかし、今回は、それをすっとばして「乙がその営む事業に関して有する権利義務の一部を承継」するとなっております。

会社法の条文の上では、757条「当該会社がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部を当該会社から承継する」と規定されていますので、会社法の条文の観点からみた点では、会社法の条文に忠実にされているなということはいえるかと思ってしまいます。

しかし、やはり不親切の感は否めません。

この点について、オンリーワン司法書士への道~渉外司法書士の実務記録の草薙先生に当該記載の旨についてご意見を伺ったところ、

①分割する事業が多すぎる
②承継する権利義務が事業にあたらない(個別の資産である)
③公告時点で分割する事業が特定されていない
④掲載料をケチっている
⑤分割する事業にいい名前がつけられない (一部、筆者の勝手で省略。詳しくは上記ボルグ参照ということで)

とのご意見をいただきました。私の推測としては、2ではないかと思っていたところですが、なにぶん具体例に遭遇してことがありませんので断言はできません。

公告は奥が深い…

では、また。

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2009年11月20日 (金)

有限会社が吸収合併存続会社となる?

またしても、官報ネタで恐縮ですが、本日付けの官報で有限会社を存続会社とする官報公告が掲載されています。

http://kanpou.npb.go.jp/20091120/20091120h05199/20091120h051990028f.html

本来、有限会社は会社整備法37条の規定により、吸収合併の存続会社となることができません。

ですので、この官報公告のみをみてしまうと、登記不可やんけっと思ってしまいます。

しかし、これは私の想像の範囲ですが、この有限会社は、合併効力発生日までに株式会社に商号変更するんでしょうな。

とすれば、官報公告に株式会社へ移行予定である旨も記載する必要があるのではないかと考えてしまいますが、公告の必要的記載事項ではないので、記載不要になります。

おそらく、1月1日が合併効力発生日でしょうし、そのころまでには株式会社となっているでしょう。

では、また。

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債権者保護手続上の法人標記が甲ではなくAもあるよ

さして、法的な効果に影響を及ぼさないところですが、官報公告等では、法人を甲から随時乙、丙等の略称を用いるのが一般的です。

ところが、本日付けの官報公告のとある法人では、その略称のかわりにアルファベットを用いています。

http://kanpou.npb.go.jp/20091120/20091120h05199/20091120h051990027f.html

私個人としては、数社合併の際には甲乙…といったら、丁ぐらいから次はなにかわからなくなってしまうので、アルファベットのほうが大変助かります。

今後、このアルファベットの流れが定着していけばなと内心思っているところです。

どうでもいい雑感でした。

では、また。

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2009年11月19日 (木)

会社分割で承継させる債権は将来債権のみでもよいのか?

ちょっと長い独り言ですので、間違っているところがあると思います。当該独り言を信じられ、損害を被ったとしても、責任は負いかねます(何の注意書きなんやら…)

会社法第757条には、吸収分割の節が設けられています。当該吸収分割の規定の核心は、会社が「その事業に関して有する権利義務」の全部又は一部を当該会社から承継することができることを挙げることができます。

この点、改正前商法では(374条の16)、「会社はその一方の営業の全部又は一部を他方に承継せしむるため吸収分割を為すことを得」としています(筆者ひらがなに転記)。

改正前商法では、承継されるのは「営業」に限定されていたものが、会社法施行によりその限定が外れたように読むことができます。

とするならば、一般的な債権債務関係のみを承継会社又は新設会社に承継することも、会社分割というスキームを用いてもできるのではないかと考えてしまいます。さらに、特定されうるのであれば、将来発生すべき債権を目的とする債権譲渡の有効性については、最高裁においても認められておいるところでありますので(最判平成11年1月29日民集53巻1号151頁)、将来債権を目的とした会社分割も可能なのではないかと考えてしまいます。

また、この見解を会計面で補足するとすれば、計算規則37条1項2号は、企業結合会計基準における「事業」に該当しない財産が分割の対象となった場合の会計処理と読めなくもないので、債権債務を対象とする会社分割を首肯することになりそうです。

この問題意識の端緒は、とある会社がある不動産を賃借しており、その賃貸借関係(賃借人の地位)を包括承継する会社分割(新設分割)のスキームを選択できれば、賃貸借関係の個別同意も不要であるというメリットを最大限活用できる方策ではないかと考えたことにありました。

もっとも、「円滑な」承継でなければ、会社分割をした意味が乏しいでしょうし、かつ、賃貸借契約書によくある、会社分割等の包括承継が生じた場合にも承諾が必要である特約文言があった場合の対応等、まだまだ解決しなければならない問題は山積みですが。

官報等で、会社分割の対象を個別財産にしている会社はないか注意深く見ているつもりですが、私の目は節穴か、なかなかよい事例に遭遇しません。

どなたか、おもしろい会社分割事例がありましたら、ご教授ください(また他人頼みでございます)。

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では、また。

2009年11月16日 (月)

合併についての記事(商業登記倶楽部より引用)

誰もが知っている商業登記倶楽部のやさしい商業登記教室に、合併についての記事が近々の記事として記載されています。

合併と抱き合わせ株式

簡易合併の可否

登記情報(574号)の内容とほぼ同じ内容ですが、ウェブ上に公開されているというのはデータの整理の上では大変助かります。

このコーナーは商業登記倶楽部の会員でなくても見ることができるので、随時チェックされることをのお勧めします。

では、また。

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2009年11月 5日 (木)

資本金の額が足し算される合併はまれなのか~計規36条の射程(4)

※平成21年11月6日訂正あり

スピッツのチェリーを聴くとなんだか泣きそうになります、私の世代の場合(報告)

(前回までのおさらいとして。36条2項は、36条1項が適用されることが前提。では、36条1項が適用される会計基準は、①共通支配下の取引、②共同支配企業の形成、③逆取得が該当する。ではでは、それらのすべてが36条2項の適用があるのか考えてみましょう。)

まず、②の共同支配企業の形成は、大雑把にいえば、当事者の会社が双方対等に株式を保持することが共同支配企業の会計基準を採用する端緒なので、株式を対価としないということは考えられません。ですので、無対価で株主資本等を引き継ぐことになる36条2項の適用はありません。

③の逆取得については、金子先生の著書(これが計算規則だ株主資本だ(2007))によれば、逆取得は、「取得会社の株主が被取得会社の株主になるという前提がある」(ここでの取得は支配取得のことで、どちらが株主構成の多数をとっているかということ)みたいです。したがって、②と同様に株式を交付しないということは想定外であり、逆取得の場合には、36条2項の適用はないと考えられます。

これらを統合すると、①の共通支配下の場合にのみ36条2項(無対価かつ資本金等簿価引継ぎ)の適用が考えられそうです。

ただし、子会社を存続会社とし、親会社を消滅会社とする合併(注親会社が存続会社で、子会社が消滅会社ではない)は、共通支配下の取引に該当しますが、株式を交付することができないので(749条1項3号=子会社が有している自己株式のみになってしまう)、共通支配の場合もケースバイケースで判断する必要があろうかと思います。

※平成21年11月6日追加:子会社を存続会社とし、親会社を消滅会社とする合併では、子会社が親会社から承継する株式を親会社の株主に交付することが多々あります(承継自己株式の問題)。100パーセント親子関係の合併では、株式を交付しなければ、存続会社は親会社から承継した株式(自己株式)のみとなっていまいますので、必然的に上記の逆親子合併では株式の交付が伴い、36条2項の適用はないことになります。(草薙先生にご教授いただきました。ちなみに草薙先生のブログは大変参考になりますので、ここに付記しておきます)

http://shoshi-kusanagi.cocolog-nifty.com/blog/

兄弟合併の場合に36条2項は、用いられることになりそうです。

これが、36条2項の段階的な整理になろうかと思います。

(最後は理解不足でぐだぐだになりました。誠に申し訳ありません。精進いたします。

では、また。

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