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2010年4月 5日 (月)

債権者保護手続としての官報公告と個別催告の催告期間が異なってもよいのか?

中小企業の合併手続は、債権者保護手続として官報公告をし、債権者に対しては個別催告をすることが一般的です。たとえ、会社の公告をする方法が官報以外であれば個別催告を省略する方法もありますが(799条第3項)、費用対効果の側面からダブル公告をし個別催告を省略する手続を選択することは例外的だと思います。

(これはあくまでも私の印象であって、債権者が何百もいるような会社又は債権者が外国にも多いような場合であれば個別の判断が働くのは当然です)

官報公告と催告の問題として、過日、私の知り合いの美人補助者Oさんより、「この異議を申し立てることができる期間は一致していなければならないのか」

とご質問をいただきました、美人補助者さんより(褒めたのでなにかおごってください)。

さっそうと答えると、「さすが、関西勤務司法書士」とおだえの一つでも聞こえてきそうですが、いつものぐだぐだ感満載でびしっと答えられなかったので、ここはレスポンスとして記載をと思った次第です。

まず、この問題意識としては、官報公告として「1カ月以内に異議があれば申立てください」としている以上、異議申し立ての期間が決められること(文言を問わず)、そのため個別催告の異議申述期間が上記の官報公告の期間と異なるようであれば、債権者にダブル(二重の基準)の申述期間を与えることになって適切ではない、という論拠にあろうかと思います。

この論法を敷衍すると、決算公告未了のため、同時公告となる場合(施行規則188条、199条の7号)に多少考慮しなければならないことになります。

というのは、官報公告が掲載されるのは朝の8:30分ですが、最速でもその日に個別催告書を送付することになります。

(貸借対照表の要旨をそのまま個別催告に載せれば、官報公告掲載日と催告を同時にする(以下、「ダイレクト記載」と称する(自称))ことも可能ですが、官報公告の該当号・頁を個別催告に記載することのほうがより一般的かと思いますので、ダイレクト記載はここでの検討の射程には入れないこととします)

官報掲載日に当該催告書を送付したとすれば、催告は債権者への到達主義ですので、その日に到達しなければ、官報公告と個別催告の催告期間がかならず異なることになります。また、債権者ごとに到達日が異なることも予想されます。

とするならば、画一的処理として催告書を送付していれば(文言として1カ月以内に申立てくださいとしたような場合)、催告の期間がずれることになり、催告不適切=合併無効?となりそうです。

しかし、実務上は、官報公告と催告の申述期間が異なったとしても特段問題なく処理されています。

この点について、金子登志雄著他『商業・法人登記300問』(テイハン 2009)256頁によれば、期間を一致させたことによって支障をきたす点を列挙することによって、現在の実務を是認されておられます。

この主な列挙事由としては、

①債権者の住所によって催告書の到達日が異なるので、公告と同一時期を設ける事は困難であること

②公告ミスがあり、修正公告をした場合には、催告にもその期間に影響を与えるため、催告でも訂正催告が必要となる理不尽な結論を導いてしまうこと

があります。

また文理解釈から結論を導く方策として、「794条には、『公告の日又は同項の規定による催告の日のいずれか早い日』と事前開示について規定されているが、これは公告又は催告が必ずしも同一時点でなされることを想定していない」ことを挙げています。

上記の理由より、公告と催告の期間が異なっていたとしても何等問題はないと考えます。

ちなみに、上記の理由のみだけですと、債権者はいつの時点まで異議を申立てできるのか(すなわち、具体的には官報公告に立脚するとすでに異議申述期間を過ぎてしまっているが、個別催告に照らし合わすとまだ申述期間内であるような場合)、真正面からの答えにはならなそうです。

わたしとしては、そのような場合であっても催告期間自体は会社側に便宜上認められた機関であるので、債権者にとっては幅広く捉える必要があり、上記の場合にあっても債権者としては異議を申し立てることが可能(極論すれば、異議申述期間を形式的に過ぎていたとしても会社側としては通常の対応を要し、合併の効力発生日の前日までは異議をいえでもよい)と考えております。

(申述期間を過ぎましたので債権者の異議を受け付けませんというのはいかがなものかということ)

では、また。

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