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2009年7月

2009年7月31日 (金)

経済小説のおすすめを教えてください

月末で金曜日。なんだか飲みにいかないと損をしたような気になりそうです(報告)

さて、私はかなりの遅読ですが、本はよく読むようにしております。オールジャンルで。人には言えないようなものから、経済・社会を扱ったもの、文化・芸術関係等から、人にはいえないようなものまで。(どんだけ人には言えないものを読んでいるのか…)

なるべく広い分野を読むように心がけています。そうすればなんだか器の大きな人間になれそうなんで。

私は、推理小説がもっとも好きなジャンルのひとつですが、働くようになってからはその中でも経済関係に関するものが多くなってきたように思います。

また、経済小説の分野では、清水一行、城山三郎、高杉良、牛島信、真山仁のものが有名かと思うのですが、他に有名な小説家のかたはおられるのでしょうか?

お勧めの作品等ございましたら、ご教示くださいませ。

では、また。

財務会計・入門(第6版)

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会社法を扱っていて組織再編やファイナンスにからむ登記申請の際にはどうしても会計の知識が必要となっているのは確かです。まずは入門にと思って読んでいたものです。

目次

会計の種類と役割―財務会計の位置づけ
財務会計のシステムと基本原則―損益計算と資産評価のルール
企業の設立と資金調達―必要な資金をどう調達するか
仕入・生産活動―営業活動のスタートは仕入と生産
販売活動―売上の測定と代金回収
設備投資と研究開発―有形固定資産と無形固定資産
資金の管理と運用―本業をサポートする資金運用活動
国際活動―外貨表示額を日本円に換算する
税金と配当―確定決算主義と剰余金の配当
財務諸表の作成と公開―会計情報の内容と意味
企業集団の財務報告
財務諸表による経営分析

ご参考までに。

では、また。

2009年7月30日 (木)

よくいく晩御飯先

http://www009.upp.so-net.ne.jp/fumido/index.html

風味堂ですねん。

では、また。

北島に継ぐスターの素地があるのは誰なのか?

水泳をテレビで見てますと、自分も早く泳げる気がしてきます(もっとも私は陸専門ですが)。

世界水泳が始まっておりますが、今年はシンクロでメダル0というスタート。

その後の競泳に向けて暗雲がたちましたが、さすがトビウオジャパンですね。古賀がやってくれました。この世界水泳まで彼の名前を恥ずかしながら知りませんでした。

http://mainichi.jp/enta/sports/news/20090729k0000m050163000c.html

というのも日本における背泳ぎの第一人者は入江であると思っておったからです。

入江は、過日の世界記録が未公認になったことで一躍脚光を浴びましたが、あのイケメンぶりですから、水泳界の貴公子(言い方が古い)、○○王子になる素地はあろうかと思います。

世界水泳が始まるまでのマスコミの取り上げ方もその最たるもので、特集記載が多かった気がします。

マスコミがいそいそとスーパースターとしての鎧を作り上げていく最中での古賀の優勝。

今後の入江の巻き返しがスター街道の一里塚になるのでしょうか。楽しみですな。

では、また。

監査役による費用請求(388条)

ごたごた続きのトライアイズですが、新たに仮処分命令(仮処分②とする)の申立てを受けたことをリリースにしています。

仮処分命令の申立てに関するお知らせ①

株主総会決議取消訴訟に対する対応指針に関するお知らせ

仮処分命令の申立てに関するお知らせ②

監査役の仮処分命令の申立て(仮処分①とする)及び株主総会決議取消の訴え(831条)に端を発したものです。

仮処分①にかかる弁護士費用が会社リリースによりますと、高名な鳥飼先生に依頼しているため、1514万円超かかっており、当該債務のうち既に支払った着手金分を会社法第388条第3号に基づいて監査費用として会社に請求したが支払われないため、仮処分②が申立てられた模様です。

(費用等の請求)
第388条  監査役がその職務の執行について監査役設置会社(監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めがある株式会社を含む。)に対して次に掲げる請求をしたときは、当該監査役設置会社は、当該請求に係る費用又は債務が当該監査役の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、これを拒むことができない。
一  費用の前払の請求
二  支出した費用及び支出の日以後におけるその利息の償還の請求
三  負担した債務の債権者に対する弁済(当該債務が弁済期にない場合にあっては、相当の担保の提供)の請求

アンダーラインでもあるように立証責任は、会社側にあり、いわゆる要件事実の観点からは、立証責任の転換が図られています。

そこで、会社側としては職務の執行には当たらないことを今後立証し、監査役からの費用請求を認めない旨の主張をすることになろうかと思います。

では、監査役による上記訴訟の提起等が監査役の職務の執行に当たる行為なのかどうかが問題となります。

江頭憲治郎『株式会社法』によれば、監査費用には一切の費用が含まれるとしています(弁護士費用についても)。

もっとも、上記の監査役の訴訟提起が形式的には監査役の職務執行であったとしても権限の濫用の場合のように明らかに不当な権利行使である場合には、信義則上、監査費用の請求はできないとの結論が導かれることもありえるのではないでしょうか。

まぁ、実際に監査役と会社の間になにがあったのか会社リリースだけでは当然判断できませんので。

では、また。

中小企業庁の再生支援~いわゆる第二会社方式(資料編)

近時は事業再生案件が目につきますが、下記のように公的機関による後押しもあります(改正産業活力再生法)。

産業活力の再生及び産業活動の革新に関する特別措置法を制定し、「中小企業承継事業再生計画」の認定制度を創設しました。中小企業が会社分割又は事業譲渡による第二会社方式を用いた「中小企業承継事業再生計画」を作成し、国による計画の認定を受けると、営業上必要な許認可等を承継できる特例、税負担の軽減措置、金融支援を活用し、事業再生に取り組むことができます(中小企業庁HPより引用)。

http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/saisei/2009/download/090622SeidoFlow.pdf

では、また。

「コンカツ・リカツ」弁護士会抗議 行政書士の相談場面

この手の職域に関するものは今後ますます俎上にあがるでしょうね。

http://www.asahi.com/showbiz/tv_radio/OSK200907290086.html

2009年7月29日 (水)

類型別会社非訟(書籍)

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予約しました。構成としては、下記のとおりです。

【全章構成】
第1章 取締役会議事録閲覧謄写許可申立事件
第2章 少数株主の株主総会招集許可申立事件
第3章 仮役員等選任申立事件
第4章 株式会社の清算人選任申立事件
第5章 少額債権等弁済許可申立事件
第6章 帳簿資料保存者選任申立事件
第7章 株式売買価格決定申立事件
第8章 株式買取価格決定申立事件
第9章 端数相当株式任意売却許可申立事件
第10章 所在不明株主の株式売却許可申立事件
第11章 総会検査役選任申立事件
第12章 社債権者集会決議認可申立事件

【収録書式】
[書式1] 取締役会議事録閲覧謄写許可申立書
[書式2] 少数株主の株主総会招集許可申立書
[書式3] 株主総会招集請求書
[書式4] 株主総会招集許可決定
[書式5] 仮取締役選任申立書
[書式6] 仮監査役選任申立書
[書式7] 仮取締役選任決定
[書式8] 清算人選任申立書(株式会社・破産財団放棄物件処理に関するもの)
[書式9] 清算人選任決定
[書式10] 清算人選任取消決定
[書式11] 登記嘱託書
[書式12] 少額債権の弁済許可申立書
[書式13] 同意書
[書式14] 債務弁済許可決
[書式15] 帳簿資料保存者選任申立書(株式会社・保存者が個人の場合)
[書式16] 帳簿資料保存者選任申立書(株式会社・保存者候補者が親会社)
[書式17] 帳簿資料保存者選任決定
[書式18] 株式売買価格決定申立書(株主が申立人で,指定買取人の指定がある場合)
[書式19] 株式売買価格決定申立書(会社が申立人で,指定買取人の指定がない場合)
[書式20] 株式売買価格決定申立書(株主の死亡により会社が相続人に対して申し立てる場合)
[書式21] 鑑定申出採用決定
[書式22] 審問期日における鑑定申出採用決定と鑑定費用負担の合意例
[書式23] 株式売買価格決定
[書式24] 株式買取価格決定申立書(全部取得条項付種類株式の取得)
[書式25] 株式買取価格決定申立書(合併)
[書式26] 株式買取価格決定申立書(定款変更)
[書式27] 株式買取価格決定申立書(株式併合)
[書式28] 株式買取価格決定申立書(株式分割)
[書式29] 株主の反対通知書
[書式30] 株主総会議事録
[書式31] 株式買取請求書
[書式32] 鑑定前に合意して申立人が取り下げた場合の審問期日調書記載例
[書式33] 端数相当株式任意売却許可申立書(全部取得条項付株式の取得の場合)
[書式34] 端数相当株式任意売却許可決定
[書式35] 所在不明株主の株式売却許可申立書
[書式36] 所在不明株主の株式売却許可決定
[書式37] 総会検査役選任申立書
[書式38] 総会検査役選任決定
[書式39] 社債権者集会決議認可申立書
[書式40] 社債権者集会決議認可決定

では、また。

宮里藍の優勝に想う

ひとり、国内から離れ海外に挑戦し、早4年にもなるみたいです。最近日本プロ女子の台等が紙面をにぎやかしておりますが、その先鞭をつけたのが宮里藍ではないかと思います。

この優勝も日本女子が海外で活躍するひとつの先鞭になるのは間違いないでしょう。

一方で、日本人プレーヤーが海外で活躍すると、国内競技の空洞化が叫ばれるようになります。プロ野球がその最たるものです。女子ゴルフはどうなるのでしょうかね。

私もそろそろゴルフを始めようか検討中です。あくまでも健康のため。

では、また。

株主総会議案への賛否、開示急増とのこと

株主総会での議案の賛否の割合を開示する企業が増加しているとのこと。

http://mainichi.jp/select/biz/news/20090729ddm008020122000c.html

法律・上場規則においても賛否の割合を開示するルールは存在していませんが、今後は開示ルールが整えられるであろうことへの先取りみたいですね。

株式買取請求権の行使ができる条文はどこ?(メモ)

株式買取請求権を行使できる場合は条文の中でどこにあるのか?自分のためのメモです。

(116条)
・発行する全部の株式の内容として107条1項1号(譲渡制限付株式)の定めの設定
・種類株式の内容として108条1項4号(譲渡制限付株式)の定めの設定
・種類株式の内容として108条1項7号(全部取得条項付株式)の定めの設定
・種類株式の内容として種類株主総会の決議を要しない旨の定めがある株式において、次の行為をする場合の当該種類株主に損害を及ぼすおそれのある場合
①株式の併合又は株式の分割、②株式無償割当、③単元株数の変更、④株主に引受権を与える募集株式の発行をする場合、⑤株主に新株予約権の割当てを与える場合、⑥新株予約権の無償割当て

(469条)
・事業の全部又は一部の譲渡(簡易譲渡を除く)
・事業の全部譲受
・事業の全部の賃貸、事業の全部の経営の委任等

(785条)(吸収型組織再編~消滅会社等)
・吸収合併消滅会社
・吸収分割会社
・株式交換完全子会社

(797条)(吸収型組織再編~存続会社等)
・吸収合併存続会社
・吸収分割存続会社
・株式交換完全親会社

(806条)(新設型組織再編~消滅会社等)
・新設合併消滅会社
・新設分割会社
・株式移転完全子会社


買取請求の効力発生時期
116条:代金の支払時(117条5項)
469条:代金の支払時(470条5項)
785条:効力発生日(786条5項) 組織再編の消滅会社等の場合(※但し、吸収分割の場合は代金支払時)
797条:代金の支払時(798条5項)
806条:効力発生日(807条5項)~新設型の消滅会社等の場合(※但し、新設分割の場合は代金支払時)

(7月29日一部加筆)

2009年7月28日 (火)

株式買取価格と利息(786条第4項)

株式買取をめぐって調停中のTBSと楽天ですが、やはりTBSさんは仮払いをされるようです。利息だけでも年6分ですからねぇ~

http://www.asahi.com/showbiz/tv_radio/TKY200907270353.html

~引用開始~

TBSホールディングスは27日、楽天が保有しているTBS株の買い取りについて、楽天に買い取り価格の一部として400億円を仮払いすると発表した。両社は現在、正式な買い取り価格を巡って東京地裁で調停中。係争が長引けば、TBS側に年6%の利子の上乗せ負担が生じるため、31日に一部を仮払いすることで利子負担を軽減する。

 今年4月にTBSは1株主の出資比率が33%以下に制限される認定放送持ち株会社に移行。楽天は経営権を取得できなくなった。このため、楽天は保有するTBS株の買い取りを要求した。しかし、両社の主張する価格の隔たりは大きく、5月に双方が東京地裁に「公正な買い取り価格」の決定を申し立てて、調停中だ。 ~引用終わり~

(株式の価格の決定等)
第786条  株式買取請求があった場合において、株式の価格の決定について、株主と消滅株式会社等(吸収合併をする場合における効力発生日後にあっては、吸収合併存続会社。以下この条において同じ。)との間に協議が調ったときは、消滅株式会社等は、効力発生日から60日以内にその支払をしなければならない。
2  株式の価格の決定について、効力発生日から30日以内に協議が調わないときは、株主又は消滅株式会社等は、その期間の満了の日後30日以内に、裁判所に対し、価格の決定の申立てをすることができる。
3  前条第6項の規定にかかわらず、前項に規定する場合において、効力発生日から60日以内に同項の申立てがないときは、その期間の満了後は、株主は、いつでも、株式買取請求を撤回することができる。
4  消滅株式会社等は、裁判所の決定した価格に対する第1項の期間の満了の日後の年6分の利率により算定した利息をも支払わなければならない。
5  株式買取請求に係る株式の買取りは、効力発生日(吸収分割をする場合にあっては、当該株式の代金の支払の時)に、その効力を生ずる。
6  株券発行会社は、株券が発行されている株式について株式買取請求があったときは、株券と引換えに、その株式買取請求に係る株式の代金を支払わなければならない。

では、また。

夏の風物詩といえば

甲子園。

甲子園予選が佳境を迎えております。京都では昨日、龍谷大平安が劇的なサヨナラ勝ちで甲子園の切符を勝ち取りました。高校を卒業してはや何年。今でも甲子園中継(予選も含めて)を見ているとこちらまで熱いものが込み上げてきます。私は高校野球経験者ではありませんが。

ゲームセットとともに、二度と高校野球をすることができない思いが顔ににじみでており、球児ひとりひとりにどんなドラマがあったのかと想像するだけで心が熱くなります。

そんなドラマを垣間見ますと、自分は今いったいなにをしているのだろうと自問自答することも。to be continue…の生活サイクルから脱却して、今一度熱い思いをと考えている関西勤務司法書士でした。

ちなみに私の高校時代には母校が甲子園に出て甲子園まで応援しにいったのを昨日のことのように思い出します。

では、また。

取締役会招集とその緊急性とその有効性について(2)

では、そもそも会社法において、取締役会の招集通知の期間が原則として設けられている趣旨はなんなのでしょうか。

これは、ずばり取締役に取締役会出席のための準備期間を確保するためといわれています。

この理の射程としては、準備期間を確保できる場合には、緊急の場合には、法令・定款で定められた期間を下回ったとしても問題はないという結論が導かれそうです。ここで問題はないということは違法ではないと同義ではありません。そもそも定款違反の招集手続ですので。あくまでも違法性が軽微だから、無効にはしなくてもよいという意味(イメージ)です。(判例法理でも、定款違反をすべて一律に無効として処理しているわけではないですので)

取締役会は、今後、テレビ会議等のシステムを多くの会社で導入すると、取締役会出席地への距離の概念がなくなります。すると、西日本担当取締役が本社である TOKYOまで行く必要がなくなったりしますと、より取締役会の出席のための準備期間を確保するための時間は短くなってくるのではないかと考えております。

招集通知期間は定款に違反するが、準備期間が確保でき、円滑な業務執行のためならば当該招集通知を有効とするということなのでしょう。

この緊急性の判断者は当然、定款で定まっている招集権者、すわなち、大多数の会社にあっては社長になるのではないでしょうか。

ただ、実務上、緊急性の判断は難しいでしょうから(取締役会規程等で具体的な緊急の場合をリストアップするほど意味は乏しいでしょうし)、取締役会招集通知の省略の同意書をいただく(368条第2項)段取りをとるものだと思います(後で無効とかいわれたらいやですので)。

では、また。

2009年7月27日 (月)

デザインを変えました

3分の1+3分の1+3分の1=1

小数点で計算すれば、0.3333…+0.3333…+0.3333=0.99999…

…1にならない…(蛇足)

前のブログデザインは背景がどす黒くて見づらかったので、デザインを変えました。あっという間の寿命でございました。そろそろタイトルも(仮)からかえなければなぁ~。

では、また。

取締役会招集とその緊急性とその有効性について(1)

会社法第368条において、「取締役会の招集通知は、取締役会の日の1週間(これを下回る期間を定款で定めた場合にあっては、その期間)前までに、各取締役(監査役設置会社にあっては、各取締役及び監査役)に対してその通知を発しなければならない」と定められています。

当該規定を受け、1週間では業務執行に臨機応変に対応できない、もっと短縮すべきだという役員さんの意見を受け、多くの会社は定款によって、招集通知を3日前に通知すればよいというように短縮規定を設けておられると思います。わたしが関与する会社のほぼ100パーセントが1週間より期間を短縮していると思われます(中小企業の場合には、特段そのような意図はないかもしれませんが…)。なぜ3日前かは慣行ではないかと思われます。

さらに、この規定を受け、定款上に、「緊急のときは招集通知はこれを短縮することができる」旨の規定をみることがあります。常々、この規定って定款の範疇において有効なの?緊急の判断基準は?はたまた、この判断者は誰?など悩んでおります。

一方で、368条第2項では、「取締役会は取締役の全員の同意があるときには、招集の手続を経ることなく開催することができる」旨が規定されています。いわゆる招集手続の省略です。

当該規定は、取締役会出席者の全員が同意をしたときには、「招集手続の省略」が認められる規定であって、上記の緊急の場合に招集通知を「短縮すべき場合」とは明らかに用いられる場面が異なります。なぜなら、問題としているのは招集手続の「短縮」であるので、あくまでも招集手続を履行しなければならないためです。(招集手続省略は「0」、招集手続の短縮は、「ニアリー0、ノットイコール0」です)。

ですので、この「緊急のときは招集通知はこれを短縮することができる」想定場面とは、前記の法定又は定款で定められた招集通知の期間を下回る期間の通知であって、かつ、取締役の招集手続の省略の同意が得られない場合ではないかと思います(例:あと1時間後に取締役会を開く旨の招集通知が発せられ、とある取締役のかたは招集手続省略の同意をせず、拒否している場合)。(ちなみに取締役会の招集通知は書面に限らず、メール、電話でもオッケーです。テレパシーは?)

では、この緊急性の規定については有効なのか?

次回につづく

2009年7月26日 (日)

公告今昔物語②~組織再編における会社連名ではなく、単独での公告

国立印刷局『決算公告のおすすめ』をみておりますと、会社合併・会社分割等の頁におきまして、会社の単独型というものがでてきます。単独型とは、連名型に対比した言い方です。

合併の単純な2社合併の場合を想定すると、単独型とは、消滅会社は消滅会社の名義で、存続会社は存続会社の名義で単体として公告をすることをいいます。また、連名型とはお察しのとおり、消滅会社及び存続会社の両会社が連名となって一つの公告を掲載することをいいます。

雛形として、単独型の記載を見受けますが、会社法施行後、実際に官報公告で単独型を見たことがありません(ちなみに、改正前商法の際の扱いはよくわかりません、かつ、調査しておりません)

この点に関して、鈴木龍介他『法定公告の手引き』(商事法務 2007)によりますと、改正前商法の簡易合併の取扱いの影響である旨が記述されています。

「簡易合併の存続会社は、取締役会決議で済み、消滅会社は株主総会の開催が必要であったため、決議機関も決議時期も異なり、かつ官報公告の見本もそれぞれ個別の公告になっていたからである。」(上記より引用 98頁)

この観点からは、会社法施行後も引き続き簡易合併がありますので(略式合併については新設)、この取扱いを維持する(維持される)のが実務上の慣例としては通常かなと思ったもします。が、実務上単独型はみなくなりました。なぜですかねぇ~。

したがって、記載として連名型が多くなってきました。この場合には、公告にはそもそも株主総会の決議等(合併に必要な各機関の決定)の記載は効力発生日とともに必要的記載事項ではありません。

しかし、あえて、記載するとすれば、「(省略)~効力発生日は平成21年○月○日であり、甲は会社法第796条第3項、乙は同第784条第1項に基づき株主総会の承認決議を得ずに合併を決定しております」とすることになります(存続会社では簡易合併を選択し、消滅会社では略式合併を選択した場合)。

滅び行く単独型の公告をすると費用も高くなりますので、今後見ることはないのではないでしょうか(日本オオカミみたい)。単独型の実益があれば、ご指導ください。

では、また。

2009年7月25日 (土)

はじめました

まいどです。

備忘と健忘をどうしても間違えてしまい、全然違うと注意を受けている相棒です。(報告)

たまに横目でブログを読む?眺めているのですが、

。。。。。。。もはやワタクシには外国語(哀愁)

株主資本変動額。。。かむわ

このようなワタクシではありますが、ブログにあこがれ、その割には1000%3日坊主なんで、ほな割り込んでやれと、今日に至ったわけでございます。(交渉期間1ヶ月)

だもんで、ぢゃまにならない程度に、ちょいちょい割り込んであこがれのブログライフを楽しみたい相棒でした。

すでにぢゃましてたら、どうしよう。まいっか。

今日のマグ

Photo

丸いフォルムが、人の良さそうな顔をさらに際立たせている。

なんせ大容量。

なんとなく、相棒に似ている。まゆ毛の辺り

ほな、また。

平成21年度税制改正解説(資料編)

平成21年度税制改正についての解説。

http://www.mof.go.jp/jouhou/syuzei/kaisetsu21/index.html

では。

公告今昔物語①~資本金の額の減少における総会決議日

以下の理由により、旧商法という呼称を使っておりましたが、これからは改正前商法とします。

旧商法はいつの商法か~いとうDiaryより

官報公告をみていて改正前商法の影響が強く残っているなと感じる場面が多々あります。まず、そのうちのひとつが資本金の額の減少公告における「株主総会の決議の日」の記載です。

これは、資本金の減少の債権者保護手続における改正前商法376条に、公告は株主総会の決議の日より2週間以内にしなければならないと定められておりました。そして、株主総会決議の日は、必要的記載事項ではありませんでしたが、当該事項の記載は、公告掲載日が本当に2週間以内に適法に開催されているのか念のために確認するためであったと思います。

しかし、いまや公告は株主総会の前後を問わず掲載することができるため、上記の意味合いは薄いものになりました。

それにもかかわらず、やはり株主総会開催日を記載している公告が多く散見されます。改正前商法の影響が強いですねぇ。わたしは、中小企業の資本金の額の減少公告の場合には株主総会開催日の記載はしていません。

IRの観点からは株主総会開催日の記載をすることを要求するのも大切だと思いますが、中小企業の公告を念頭に置いた場合には、不要な記載を省略する扱いがこれから進んでいくのではないかというのがわたしの展望です。

下記参考(弊ブログより)

資本金の額の減少公告に減少後の資本金の額の記載は必要か?~効力発生日等の記載も併せて(1)

資本金の額の減少公告に減少後の資本金の額の記載は必要か?~効力発生日等の記載も併せて(2)

では、また。

2009年7月24日 (金)

特例有限会社同士の吸収合併(一方は株式会社変更予定)において、官報公告では変更後の株式会社の商号を入れるべきか?

なんて長いタイトルになってしまったんだろうと反省。

まず、前提の確認をば。特例有限会社同士が特例有限会社を存続会社とする合併はできないことになっています(整備法37条)。(ちなみに、特例有限会社が吸収分割承継会社となることもできません)

上記前提のもと、有限会社同士が合併するということは、特例有限会社同士による新設会社が株式会社となる新設合併か、もしくは、一方の特例有限会社が株式会社に商号変更した後に、当該会社を存続会社とする吸収合併を検討することになります。

前者の新設合併は許認可の取り直しが必要とされる業種の関係や合併の登録免許税の関係もありますので、あまり現実味がありません。

ですので、特例有限会社の一方が株式会社に商号変更し、当該会社を存続会社とする場合を検討します。

特例有限会社同士が合併する際の官報公告では、特例有限会社自体に決算公告義務がありません(整備法28条)。ですので、決算内容については決算公告義務がないことを記載し、決算との同時公告をする必要さえありません。よって同時公告をする場合に比べて費用的に助かりますし、公告の申込から時間も同時公告の場合と比べて短いものになります。

この場合の公告ですが、『決算公告のおすすめ』に従うならば、「甲は乙の権利義務を承継して存続し乙は解散することになりました。」とする冒頭になります。

この公告をみれば、なにやら、整備法37条に反して、特例有限会社を存続会社とする合併がこれから行われている様相を与えます(今までこんな公告をしたことがないので現実にできるのかわかりません)。

この誤解ともいえる公告内容を避けるために、存続会社になる会社を事前に株式会社に商号変更させることも考えられます。しかし、株式会社に移行したとたんに、決算公告の観点では、施行規則199条1項7号の決算公告をしていない株式会社と同区分になりますので、同時公告をする必要がでてきます。費用がかかります。

ではどうするのか?

私が考えるに、存続会社となる特例有限会社の記載の上で、合併の効力発生までに株式会社に移行する旨を記載することで対応できるのではないかと考えています。具体的には上記の「甲」に付記する形で、「甲(商号変更後○○株式会社)~」とすべきでしょう。

どうでしょうか。本日は京都会で公告についての研修がありますねん。

では、また。

監査役会における決議と協議の違い

自分の中でオードリーブームが終わりそうです。次は柳原加奈子が自分の中のマイブームになりそうです(報告)

さて、監査役会を設置しなければならない会社の場合には、監査役会規則(規定)を作成することになります。定款で監査役会についてのことを逐一記載すればこと足りますが、規定における監査役についての軽微な定款変更であっても株主総会の開催が必要となるため、現実的ではありません。また、詳細を定款に記載することも現実的ではありません。

まず、この監査役会規則の作成のスタートとしては、日本監査役協会の監査役会規定の雛形を参照とすることがあります。

http://www.kansa.or.jp/siryou/kisoku_hinagata.html

取締役会とパラレルに考えてよい部分もありがすが、監査役会と取締役会の役割や選任根拠の違いからすべてが一緒というわけではありません。

ここでは、用語の問題について触れたいと思います。

会社法第387条第2項において、「監査役が二人以上ある場合において、各監査役の報酬等について定款に定め又は株主総会の決議がないときは、当該報酬等は、前項の報酬等の範囲内において、監査役の協議によって定める。」と規定されています。

はい、「協議」という言葉がでてきました。取締役会では、「決議」という文言が使用されています(369条)。(監査役会の決議という用語もあります(393条))。

この「協議」と「決議」はどのように違うのでしょうか。一般的に協議は、「ただ、相談すればよいというだけでなく、意見の一致が必要とされています」(『法令用語の常識』より引用)。

この意味から協議は、決議のように過半数の同意があれば有効ということではなさそうです。したがって、「協議」を言い換えるならば、「監査役の全員の合意をもって行うこと」とすることができるかと思います。

「協議」は、393条の「決議」とは明確に区別されることが要求されますので、注意が必要です、はい。

では、監査役のうちのひとりが監査役会を欠席された場合、全員の合意が物理的に得られないため、協議ができないのではないかという問題が生じます。この点については、確かにその場で合意が得られず、有効な協議は不可であろうと思います。したがって、この対策としては、あらかじめ出席されない監査役のかたに協議の内容に同意する旨の書面をいただいておくことが考えれるのではないでしょうか。決議を要求されていないので、事前合意も有効であると、考えます。

では、また。

2009年7月23日 (木)

企業再生~早期事業再生ガイドライン(資料編)

企業のリスケの点で参考にする

早期事業再生研究会報告書

早期事業再生ガイドライン

金融検査マニュアル(別冊)(中小企業融資編)

私的整理に関するガイドライン

備忘録でした。

2009年7月22日 (水)

三連休の回顧録

なかなか予定を作るのが苦手な私らしく3連休といえども、特段することもなく過ぎてしまいました。

相棒がふと、三連休なにもしなかったねとつぶやいておりましたので、ぜひとも来週はリベンジをと心に期するものをもって今週過ごそうかと。捲土重来(杜牧  の「 烏江亭  に題す」より)

でもなぜか来週より研修が多いんだよねぇ… 

では、また。

2009年7月21日 (火)

wセミナー事業譲渡

受験校のWセミナーの資格取得支援事業と出版事業をTACに譲渡することがニュースとなっております。私はちなみにどちらにもごやっかいになっておりません。

事業の譲り受け及び子会社設立のお知らせ~TAC株式会社

TACに事業譲渡した後は、当該事業の新会社(新早稲田経営出版)への一部譲渡、もしくは、新設分割(763条)による当該事業を新しく設立する会社が引き継ぐスキームになりそうです。

これらを法的側面から区別すると、①特定承継と②包括承継でわけることができます。

①の範疇は、事後設立(467条1項5号)と、事業の現物出資が該当します。

②に該当するのが新設分割です。

ご存知のとおり、会社法施行後は、事後設立の際に検査役の調査が不要となりました。このため、まず新会社を設立した後に、譲渡対象事業を譲渡することがスピーディーにできるようになりました。当初設立する会社の資本金も小さくてすむ(登録免許税が何百万とかからない)メリットを享受できます(事後設立は、資本取引ではないので資本金に影響を及ぼしません)。

一方で事業の現物出資による設立の場合には、事後設立の場合に比して資本金が大きくなりがちです(共通支配下の場合にどのようになるかは調査未定。もしかしたら資本金が少ないパターンもありえるかも)。

新設分割のスキームを採用した場合には、債権者から個別に承諾を得る必要がないメリットがあります(ザ・包括承継の効果)。

事後設立、新設分割の両スキームは、通常、新会社が特別支配会社に該当するはずですので、株主総会の決議が不要(迅速にスキームに着手できる※468条)になるメリットはあるでしょう。事業の現物出資は検査役の調査を要求される局面、すなわち、財産の価額が500万円以上になる場合には使い勝手が悪いのではないかと思われます。

(おまけ)資格取得支援事業と出版事業の譲渡はTACにとってみれば事業の一部譲受になるんですね。当該事業譲渡後の早稲田経営出版はどうなるのでしょうか。

では、また。

DNPの有価証券報告書

有価証券報告書 大日本印刷

2009年7月20日 (月)

情報の収集とアウトプットについて

新聞を読むことの効用をいまさら述べても仕方ありません。私の場合に限っては、法律、特に会社法が社会でどのような手段として用いられているか注目することがひとつの効用となっています。

そのため、私は新聞は、日本経済新聞と読売新聞、京都新聞を読んでいます。しかし、毎日読んでいても日が変われば同じソースの経過記事と前の記事との結びつきがでてこなかったりします。ですので、当初は新聞の切り抜きをして時系列で保管していた時期もありました。情報の収集の面では、新聞がやはりタイムリーですので役に立ちます。

ここで役にたつといったのはあくまでもインプットの関係についてです。インプットのみであれば意味がありません。。アウトプットするからこそ情報の重要性があり、そのいざに備えて日々研鑽しておるわけです。ブログを書くようになったのも自分の(一部アウトプットした)知識・経験を人様に見てもらえながら確認できるからというのが大きな理由です。ブログを書くことで、(クライアントの依頼にこたえるという本来の目的とは別に)すでにアウトプットという一部目的を果たしているのかもしれません。

その確認の作業に新聞の記事を引用することが多いのですがペーパーだとなかなか不便になってきました。(わざわざ探さなくてはならないのと、引用するときに、文字をうつのがめんどくさい)

そこで、最近はWEBでの保管がメインとなっています。それは、

新聞つんどく

です。

フリーソフトですし、日本の5大新聞の記事を網羅できるので助かります。ブログを書いていても記事を引用するときにも便利です。

他にもブログ作成のためになにかよいソフトがないか思案中です。

では、また。

2009年7月19日 (日)

宴のあと

コンチキチンの祇園祭の山鉾巡行も終わり、いよいよ暑い暑い夏に突入へ。

宴の後始末も終わり、3連休後は、街も依然の装いに戻ります。

宴のあとといえば、三島由紀夫でしょうが、推理小説好きの私としては、

">

京極夏彦は、読み応えがありますね。

どうでもいい紹介でした。というかブログに読書日記のカテゴリーを作っていたのをすっかり忘れていました…

では、また。

リレバン~自分のためのメモとして

企業再生のうちリレバンのからみで

金融改革プログラム

金融改革プログラムのポイント

2009年7月18日 (土)

組織再編における簡易手続まとめ

Saihen_2

転換社債の登記簿

会社法施行後においてですが、転換社債の登記が「残っている」会社があります。

転換社債の登記自体はすでになくなっており、商法・会社法の改正(整備法も踏まえ)の変遷の上で、もしかしたら変更の登記申請をしなければならないのか(新株予約権の消滅の規定が会社法により取得条項付のものへ変更しなければならなかったかのように)の検討のために、改正歴を紐解いてみました。

まず、平成14年4月施行の改正商法(平成13年法律第128号)により、転換社債そのものはなくなり、そのかわり、新株予約権付社債が認められるようになりました(なお、新株引受権付社債の非分離型も同様に新株予約権付社債に整理されております)。

但し、登記上の留意点としては、平成14年3月までに発行決議のあった転換社債又は新株予約権付社債に関しては、転換社債の転換請求や新株引受権付社債に付された新株の引受権の行使の取扱いをも含めて、なお従前の例によるとされています(平成13年法律第128号附則第7条)。なお、従前の例によるとは、その当時のままの法の内容であり、しかも手続きについても従前どおりということです(資本金計上証明書とかもいりません)。

したがって、転換社債の登記簿がそのままの状態であるというのは、ただ、転換請求がなされていない状態が続いている可能性がある模様です(転換権が行使され、登記懈怠であるかもしれませんが)。

では、平成14年以降の発行分で、転換社債類似の効果をもつ社債の取り扱いはいったいどうなったのか?これは、転換社債と新株引受権付社債(非分離型)に統合され、新名称として、「新株予約権付社債」として生まれ変わっております(旧商法341条の2)。

平成14年以降は、新規案件の転換社債の登記事項はでてこないのですね。

この点は、いつも大変に勉強させていただいてる先生のブログが参考になりますので、許可なくはっつけておきます(申し訳ありません)。

司法書士のオシゴト~新株引受権付社債

司法書士のオシゴト~新株引受権付社債 つづきです

司法書士のオシゴト~新株引受権付社債 つづきのつづき(完結編)

では、では。

2009年7月17日 (金)

理事会における署名押印について

理事会設置法人である一般社団法人は、代表理事の選定に関しては、理事会議事録を登記の上で添付することが要求されています。

株式会社の場合には、取締役会設置会社にかかる代表取締役の選定に関して取締役会議事録を添付することと比較可能です。

ただし、出席者の押印については両者の間で違いが生じています。

株式会社の取締役会議事録に付いては、出席取締役(監査役)の署名又は記名押印が必要です(369条4項)。

一方で、一般社団法人の場合にも同様に出席者の署名又は記名押印が必要であることが原則(法人法95条3項)ですが、「定款」で定めることにより、議事録に署名又は記名押印をすべき理事を、出席代表理事と監事の署名又は記名押印のみとすることができます。

この取扱いを前提にすれば、代表理事の選定にかかる理事会議事録には、原則としては代表理事及び出席した監事が議事録に記名押印し、それらの者の印鑑証明書を添付することになります(法人等登記規則3条、商業登記規則61条4項)。通常は、商業登記法規則第61条第4項但書きの規定により、従前の代表者が代表印で押印し、個人の印鑑証明書の添付を不要にする取扱いになるでしょう。

また、当該定款規定があることを証明するために、定款の添付を要求されるのではないかと思います。私個人的には、議事録に定款の規定によりとの記載でよいのではないかと思っています(間違ってたご指摘ください)。

では、また。

2009年7月16日 (木)

種類株主総会の決議を要しない旨の種類株式の内容設定の効用

今週はタモリがいいともを休んでいることでニュースになっているみたいです(報告)。私はよく風邪をひいて休みます。

さて、会社法第322条1項では、種類株主総会の開催を要求する場面が規定されています。また、第2項では、種類株主総会の決議を要しない旨を「株式の内容」として、定款で定めることができる旨が規定されています。

種類株式を用いる場合に、当該規定は肝だと思いますので、押さえる必要があります。

当該規定を株式の内容とするメリットですが、二つあろうかと思います。

まず1つ目。種類株主総会の開催基準はある程度会社法上法定されています。しかし、ある種類の株主に損害を与えるときには種類株主総会を開催しなければならないとされており(322条第1項)、当該基準はなかなか不安定であることは否めません。実際には万が一開催しなければならなかった場合に備えて、念のために種類株主総会を開催することが多いのではないかと思います。この不安定さを減らすためには種類株主総会の決議を要しない旨の322条の規定を株式の内容に入れて、登記をしておくのがよいと考えています。

そして、二つ目。完全議決権制限株式を種類株式の内容として組み込んだ場合、当該種類株主は、定時・臨時を問わず株主総会においては議決権を行使することができません(議決権の算定に入りません)。しかし、「種類株主総会」においては、「種類」株主総会で議決権を行使することができない旨を組み込んでいなければ、完全議決権制限株式といえども、議決権を行使することができます。あくまでも、議決権を行使できないのは通常の株主総会であって、種類株主総会にはその効力は及ばないのですね。

とすると、株主総会で圧倒的多数の賛成を得て可決された議案であっても、ある意味で、議決権制限株主による種類株主総会で否決されることもありうるわけです(まるで、黄金株のように)。

複雑です、はい。

では、また。

種類株式に関する定款記載事項と登記事項の交錯(最終)

定款規定では、各法的効果ごとに各条文にまとめていますが、登記の局面では、「株式の内容」ごとになるのは(2)で記載したとおりです。

とすると、数種の種類株式を発行する場合であって、かつ、すべての種類株式に共通して議決権を制限する場合に、各種ごとの株式に記載するのは記載内容が多くて登記簿が醜い状態になりかねません。

登記職人としては、登記簿をいかにきれいにみせるかが肝要です。

ですので、全種類の株式について議決権はないと記載するような一工夫をする余地があります。

(おまけ)

単一の株式を発行している場合に、さらに優先株式を発行することになった場合、通常は既存の株式は普通株式と呼ばれています。普通株式の呼称のせいか、優先株式を発行する旨の決議をした後においても普通株式自体は、種類株式ではないと誤解される方がたまにおられますが、立派な種類株式です。なぜなら、なんの基準をもって普通なのかは会社が決めることであって、優先株式を「普通」と取り扱ってもいいわけですから。

ですので、普通株式と優先株式を発行する会社が、ある種類株主総会が必要なケースでは、①通常の株主総会と、②普通株式の株主による種類株主総会、③優先株式の株主による種類株主総会の3つが必要です。中小企業の場合には①と②は暗黙の了解のためなのかわかりませんが、しっかり区別しているもの(総会招集通知や議事録の上で)は少ないよう見受けられます、はい。

では、また。

2009年7月15日 (水)

種類株式に関する定款記載事項と登記事項の交錯(2)

(1)は、定款における種類株式の内容についてでした。

さて、登記の局面では、「各種類の株式の内容」を記載する必要があります。ここで、定款の上では、種類株式の内容に応じて規定していた各種条文を一つの種類株式の内容として、再構成(収斂)する必要がでてきます。

この交錯点があるため、種類株式の登記の面で、混乱が生じるのではないかと私は思ってしまいます。また、ここの記載ぶりが腕の見せ所なのではないでしょうか。

さらに、失念しやすいですが、種類株式の内容は、108条のみに記載されているわけではありません。その答えは、おとなりの条文の109条第2項ではありません。109条は、種類株式の内容にはなりません。なぜなら、属人的性質のものであって株式の内容たりえないからです。

では、108条以外に種類株式の内容についての定めはどこにあるのか?それは、会社法第322条第2項にあります。当該規定では、「ある種類の株式の内容として、種類株主総会の決議を要しない」旨を定めることができる旨が定められています。ご丁寧な文言で恐縮してしまいそうです。したがって、この322条第2項の内容も「株式の内容」ですので、登記をする必要があります。

では、また。

種類株式に関する定款記載事項と登記事項の交錯(1)

昨日は禁酒をしようと思ったのですが、家に帰る頃にはすでに忘れていました。意志が弱いのです。というのか、意志があるのか、おいらには。

さて、株式会社は、種類株式を発行することができます(108条)。そして、当該種類株式を発行する場合には、その内容を定款で定める必要があります(同条2項)。

また、種類株式の内容は、登記事項となっています(911条第3項第7号)。

この規定ぶりからすると、株主総会で定款変更議案として上程し、議案可決を受けて、当該定款規定をそのまま登記すればそれで終わりといったイメージがあるのではないでしょうか。

しかし、なかなかそのようにはいきませんね。

なぜか?

それは、会社法第108条の種類株式の類型は、9つですが、ひとつの種類株式が、この9つの類型に重複する内容になることが多いため、重複する内容をまず、どのように定款に記載するのかでかなり悩みます。私の場合は、1つの種類株式の内容を定款上でひとつの条文として記載することはないです。

ではどうするのか?それは、種類株式の9つの各事項のうち、今回の種類株式の設計上に必要な箇所を各々の条文の形で公示する方法を採用しています。種類株式に関する多くの著書でも同じような方法ではないかと思います。以下では、旧商法以来よりあった優先株式(議決権制限含む)の種類株式の定款の基本パターンを示したいと思います。なお、株式会社伊藤園の優先株式は講学上も参考になりますので、EDINETから引っ張ってきて参考にすべきだと思います。

参考例

第x条(発行可能株式総数及び発行可能種類株式の総数) 当会社の発行可能株式総数は、1億株とし、当会社の発行可能種類株式総数は、次のとおりとする。

普通株式 5000株 甲種類株式 5000株 

(注:甲種類株式としましたが、好きなネーミングでかまいません。私はセンスがないので、甲かローマ字(例えば、A)を使いますね。本当は、「第1回チャレンジ種類株式」とか、「社長就任20周年記念株式」、「広島カープ優勝記念株式」とかつけたいのです)

第x-1条(剰余金の配当) 当会社は、剰余金の配当を行うときは、優先株式を有する株主(以下、「優先株主」という。)又は優先株式の登録株式質権者(以下、「優先登録質権者」という。)に対し、普通株式を有する株主(以下「普通株主」という。)及び普通株式の登録株式質権者(以下「普通登録質権者」という。)に先立ち、次の額の優先配当金を支払う。

   甲優先株式 1株につき50円

第x-2条(株主総会において議決権を行使することができる事項)甲優先株式は、株主総会において議決権を行使することができない。

第x-3条(会社法第322条第1項の規定による種類株主総会の決議を要しない旨の定め)当会社が、会社法第322条第1項各号に掲げる行為をする場合においては、甲優先株式構成員とする種類株主総会の決議を要しない。

(注:x-2条だけでは、甲優先株式には種類株主総会の議決権はあることになります)

続く 

2009年7月14日 (火)

株主総会議事録の作成者は代表取締役以外でもよいのか?

株主総会の議事については、法務省令(施行規則72条)で定めるところにより、議事録を作成しなければいけません(318条)。

当該議事録の記載内容は、施行規則第72条で定められておりますが、今日取り上げるのは、同条第2項第6号の「議事録の作成に係る職務を行った取締役の氏名」についてです。当該規定により、株主総会の議事録作成義務は取締役にあり、その作成者の氏名を議事録に記載しなければならないことになりました。この条文では、「取締役」のみと記載されていますので、解釈上は、代表取締役が作成者とならなくてもよいことになります。しかし、監査役や顧問が作成者となることはできません。

一般的には、代表取締役が議事録作成者となることが多いかと思います。その理由として2つ挙げることができるのではないかと考えております。

まず、①総会議事録の備置閲覧に関する義務が代表取締役に課せられていることの関係です。

そして、②代表取締役社長が慣習上、株主総会の議長を務めることが多いですが、議長の権限(義務?)に照らすと、株主総会議事録の作成も含まれるのではないかということが挙げられます。

一方で、株主総会議事録の不実記載があった場合には、過料の制裁が会社法第976条第7号によって規定されています。当該規定では、過料の主体は、「各」取締役に課せられています(代表取締役だけではない)。この責任の本丸はやはり代表取締役にありますので代表取締役が議事録作成者となり、万が一過料の制裁が下されるときには一蓮托生でいきましょう、というのが本筋ではないかと考えております。

本日の記事は質が低くてすみません。

では、また。

2009年7月13日 (月)

議事録の議長の記載は箇条書形式がよいか文章形式がよいか?

早く梅雨が明けないかとせつに思っております(報告)。

さて、登記申請において、株主総会議事録が添付書類となる場合には、当然に株主総会議事録を提出することになります。そして、当該株主総会議事録は、会社法や施行規則等の規定に沿って作成されている必要があります。その規定は会社法318条にあります。当該規定を受けて、施行規則72条にも議事録の記載要件が規定されています。

今回取り上げるのは、施規72条第3項第5号に規定されています「議長が存するときは、議長の氏名」です。ちなみに議長が存しない場合があるのかというご指摘がありそうですが、315条の権限(議長の権限)を明確に与えられていない場合や、事務局(又は司会)が進行する場合や、書面決議の場合が想定されるのではないかと解釈しております。議長がいない会議体自体に問題があると思いますが。

さて、この議長の記載については、①箇条書きで記載するパターン(議長 ○○)が会社法施行時より増えてきている実感があります。

一方で、旧来どおり、②文章形式で、「定款の定めにより代表取締役○○氏は議長となり、開会を宣し…」とし、あえて箇条書きにしていない議事録も見受けられます。

どっちがよいのかと議事録を見るたびに思案します。というところで、私の雑感を少々。①のパターンのメリットは、施行規則72条第3項のその他の規定との整合性がとれることがあろうかと思います。同項においては、第2号の「株主総会の議事の経過の要領及びその結果」、第3号の「意見又は発言の内容」については、箇条書きには向いていないと思いますが、その他の記載事項(日時や場所、議事録作成者、出席役員)は箇条書き形式のほうがより向いていると思います。ここで向いているというのは、議事録に収まりがよいということをいっています。まず、単語で収まるというのが向いている大きな根拠です。

一方で、文章形式のメリットは、旧来からの形式を維持できることで、議事録の形態が時系列に沿っても一体性が保たれていることがあろうかと思います。急に議事録の形式を変えるにはやはり理由、理屈が必要です。箇条書き形式に変えるメリットが大きくなければ、特段文章形式から変更する必要もないのではないかと思います。

以上、取り留めのない雑感でした。

では、また。

2009年7月12日 (日)

外国会社についての初心者雑感

今日は日常業務の中でも私が余り扱わない、(というか案件がこないんですね、田舎には)外国会社についてのことを少々。というよりはちょっとした感想をば。

外国会社については会社法になってから新しく定義規定がおかれました。

第2条第1項2号 外国会社 外国の法令に準拠して設立された法人その他の外国の団体であって、会社と同種のもの又は会社に類似するものをいう。

外国の非営利法人は外国会社か否かとかの解釈の上での若干の争いはあるらしいのですが、明文規定が置かれたことで、会社法の国際化が一歩進んだなという印象です。

日本における外国会社の営業所を設置する場合に、日本とは異なる法体系で設立された会社(又は会社らしきもの)を日本の株式会社等に置き換えて登記するのだから、作業はなかなか難航するのでしょうな(そもそもコップに入っている水を大きさの異なる違うコップにぴったりと入るはずがないのですから)。わたしは世界的に有名なデラウェアの会社法についてさえほぼ無知ですので、上記は私の勝手な印象です、はい。

この分野に従事されておられる司法書士さんには私はある種羨望のまなざしでございます。

私も、外国会社にからんだことがあるのですが、外国会社の目的はアバウトですな。「あらゆる合法的事業を行うこと」が会社法施行前から認められていたなんて。また、AFFIDAVITはよくわからんし。翻訳会社に頼まないとしゃあないですな。

以上、しょうもない感想でした。

では、また。

2009年7月11日 (土)

資本金の額の減少公告に減少後の資本金の額の記載は必要か?~効力発生日等の記載も併せて(2)

前記記事の資本金の額の減少公告に減少後の資本金の額の記載は必要か?効力発生日等の記載も併せて(1)をうけまして、

会社法第447条第1項における公告に必要な内容についてですが、

(1)の「減少する資本金の額」については間違いなく、「減少の内容」に疑いはありません。これがないと脈略のない公告になるためです。一方で資本金の額の減少後の資本金の額の記載まで必要であるかは疑問のあるところです。というのは、会社が新株予約権等を発行している場合には、常に資本金の額が増加する可能性があります。すると、資本金の額の減少公告中に新株予約権の行使による資本金の計上分が上乗せされることによって、公告に記載されている減少後の資本金の額と一致しないおそれがあることになります。

このような想定事案がある以上、減少後の資本金の額は公告が要求している会社法第449条第2項第1号の「減少の内容」には当てはまらないと考えます。さらに、上記想定事案を踏まえて突っ込んで言及すれば、減少後の資本金の額はむしろ記載しないほうがよいのではないかとさえ思います(だれが減少後の資本金の額を記載することが有益的であるという根拠がありましたらお教えください)。

次に447条第1項第2号として、(2)「減少する資本金の額の全部又は一部を準備金とするときは、その旨及び準備金」とする額が挙げられています。

資本金の額の減少によって、当該減少額は、その他資本剰余金に振り替えられることになります。一方で準備金に振り替えるということは、分配可能額が増加しないため、債権者にとっては資本金の額の減少に異議をとなえる理由付けが希薄になろうかと思います。したがって、資本金の額の減少額を準備金にするということは、対債権者向きには極めて重要なこ事項になるので、この2号の内容も449条第2項第1号の「減少の内容」に該当することになるでしょう。

最後に447条第1項第2号の、(3)「資本金の額の減少がその効力を生ずる日」はどうか。

この点、下記記載の見解によりますと(135頁)、資本の額の減少という法的効果を享受できる組織再編行為でさえ効力発生日が必要的公告事項でないのに、資本減少についてなにをやいわんや(下線部は私の読解です)としております。したがって効力発生日は必要的公告事項ではないとしています。確かに、といった感想を持ちました。

公告は難しいです。はい。

では、また。

参考文献:鈴木龍介他『法定公告の手引』(2007 商事法務)

2009年7月10日 (金)

欠損填補と損失処理の違い(最終)

では、各論として欠損填補のための方法選択としては、資本金を減少するパターンと準備金を減少するパターンが考えられますが、それぞれのメリットを確かめる必要があります。

資本金の額の減少は、必ず債権者保護手続が必要であり(449条)、1箇月期間が必要ですので時間的制約(デメリット)がかかります。一方で、定時株主総会で欠損の額の減少分を超えない範囲で資本金の額を減少するであれば(分配可能額のマイナスの範囲内であれば)、普通決議でできるメリットがあります(309条2項9号)。

準備金の額の減少は、定時株主総会において、欠損の額の減少分を超えない範囲で準備金の額を減少するのであれば(分配可能額のマイナスの範囲内であれば)債権者保護手続をしないメリットがあります(449条1項)。ただし、準備金の額が資本金の額の4分の1を下った場合には、剰余金の配当等をする際に再度積み立て義務(445条4項)が発生するため、会社が稼いだ利益を満額株主に配当できない期が生じます(合弁企業の場合等に問題になるかも)。
準備金の額の減少のほうが、手続きのスピードは早そうです。また、緊急時に債権者保護手続を経ることなく、迅速に分配可能額をプラスに転じさせる必要もありますので、最後の切り札として、準備金の減少の前にまず資本金の額の減少を考えるのも一つの手です。

このように、それぞれのメリット・デメリットを見据えてアドバイスをしないといけないと考えております、はい。

では、また。

参考文献 内藤卓「会社の計算と登記」(月報司法書士445号 74頁)
金子登志雄『これが計算規則だ株主資本だ』(中央経済社 2007)
郡谷大輔他「定時株主総会における欠損填補と損失処理の違い」(商事法務1862号 2009)139頁

欠損填補と損失処理の違い(4)

資本金の額を減少しただけでは、その額は「その他資本剰余金」に振り替えられただけになります。これは先ほどまでの説明では欠損填補に該当します(効果として分配可能額の増加)。さらに、繰越損失(その他利益剰余金のマイナス)を解消するには、損失の処理として、「その他資本剰余金」の額を「その他利益剰余金」の額に振り替える議案立てをする必要がありますので注意が必要です。

損失の処理について、資本金の額の減少議案に付言(当該減少額をさらに利益剰余金に振り替えること)している議事録でも解釈上、間違いなく登記申請も問題ありません。しかし、資本金の額の減少については賛成。しかし、損失処理(その他資本剰余金をその他利益剰余金に振り替えること)については反対の株主が存在することあります。例えば、外形標準課税の観点からはぜひ資本金の額を減少したい。けれども繰越損失はそのままでもよいと考えたりするパターンです。ですので、わたしは欠損填補の議案と損失処理の議案は議案を別々にすることが多いです。

続く

資本金の額の減少公告に減少後の資本金の額の記載は必要か?~効力発生日等の記載も併せて(1)

資本金の額の減少の際には官報による公告が要求されています(449条2項)。そして官報による記載事項ですが、会社法の上では、3つほど要求されています。

1.当該資本金等の額の減少の内容

2.当該株式会社の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの(受けて計規152条)

3.債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨

2については、下記の記載が参考になりそうなので、今回は検討外とします。

組織再編における債権者保護手続の計算書類の開示(1)~施行規則188条第7号

組織再編における債権者保護手続の計算書類の開示(2)

3についても資本金の額の減少の性質上、当たり前のところがありますので省略します(たまに「資本金の額の減少」ではなく、「資本減少」の単語を用いることがありますがご了承ください)。

今回、取り上げあるのは、1の「当該資本金等の額の減少の内容」についてです。内容といったらかなり幅広いため、この規定振りからだと、どのような内容にしていいのかわからないところです。ですので、掲載内容の雛形を官報HPより入手してそれに則って掲載することで余計なことを考えないようにしておられるかたが多いのも実情だと思います。

私みたいなものは、つまらないところでついついつまづくものでして「減少の内容とは」と、考えてしまいます…(不器用ですから)。では、実務として官報を参考にしようと見ていても株主総会議事録の終結日やら、減少後の資本金の額の記載が散見されますので、どこまでが「内容」に該当するのまたまた悩んでしまいます。

そこで、内容とはなにかですが、『広辞苑』(第6版)によりますと(なぜ広辞苑を調べるのかは聞かないでください。目の前に広辞苑がでかでかと置いてあっただけです)、「ある形をとって現れているものの中にある事柄や物」とされています。

…内容という言葉の意味について余計わからなくなりました…

検討方法を変えます…。

資本金の額の減少の決議として決定すべきことが会社法第447条に規定されています。それによりますと、

(1)減少する資本金の額

(2)減少する資本金の額の全部又は一部を準備金とするときは、その旨及び準備金とする額

(3)資本金の額の減少がその効力を生ずる日

が必要となっております。株主総会の決議内容ほどのものですので、これらは少なくとも資本金の額の減少の中心的事項、すわわち449条の資本金の額の減少の内容となりそうです。

続く

2009年7月 7日 (火)

七夕ですが、なにか

7月7日も365分の1であって、なんら特別なことをすることなく終わってしまいました。それも空しいので望みをひとつ。

「デザートではなく、スイーツと恥ずかしげもなく言える男になりたい」

違うか(響風)。

では、また。

取締役の任期満了の際に「定款」の定めにより満了した旨の記載のある議事録と任期規定について

いつもタイトルが長くなってすみません。

さて、取締役の任期計算の基本原則は、会社法332条において、「確定任期型」からいわゆる「総会終結型」に変更されました。旧商法時代は、条文上では、2年の確定任期が基本原則でしたが、使い勝手が悪いこともあり、2年の確定任期を採用する会社は実務上皆無でして、定款規定を用いて総会終結型を選択していました。

この場合の登記申請では、定款において、商法の条文の例外が定められていますので、その例外規定があることを証明するため、本来であれば、役員変更登記に定款の添付を要求するのが建前であろうかと思います。しかし、それは誤解を恐れずにいうと、めんどくさい(煩雑)ということで、議事録上に、「定款の規定により、取締役の任期が満了した」と記載してあれば、定款添付と同様の効果が発生するとされていました。

(ここで、定款の規定によりと記載すればなんでもよいのかという疑問、この記載が有効である射程は役員変更以外でいかほどかという問題点はありますが、今回は検討外。)

では、翻って会社法の昨今ではどうか。この流れを踏襲してか、議事録には「定款の規定により、取締役の任期が満了した」旨の記載が引き続いて記載されていることが多いのではないかと思います。

確かに今までどおり定款にその旨が記載してあるので間違いではないでしょう。しかし、いまや会社法の規定によっても当然満了する取扱いになります。会社法では、例外規定を定款におくことができる旨を定めていますので、その例外規定にあてはまらなければ、会社法どおりである旨を記載するのが本筋ではないかとふと思ったのです。

今回でいうならば、「会社法の規定により、取締役の任期が満了した」旨の記載になるのではないでしょうか。

この疑問点は、議事録に「定款の規定による」旨や「会社法の規定による」旨の任期満了の記載がないときの扱いにも波及します。

旧商法時代であれば、上記の記載がなければ、怖い登記官からすぐさま補正の電話でしょう。でもいまや、総会終結方が原則ですので、何の記載がなくてもむしろオッケーの扱いになると思われます。

日常の会社法のこごとでした。

では、また。

2009年7月 5日 (日)

ブログのタイトルを変更いたしました(旧:新米司法書士の情報発信基地)

新米気分に別れを告げる意味でもタイトルの変更をしました。

旧:新米司法書士の情報発信基地 新:関西勤務司法書士の情報発信基地(仮)

なぜこの時期なのか。それはもちろん、平成21年の司法書士試験が終わったタイミングだからですよ。

ぴたっとくるネーミングがまだないので(仮)です。(笑)でもよかったのですが。

では、また。

欠損填補と損失の処理違い(3)

①の「欠損填補」(分配可能額の復活)のためには、大雑把にいえば、「その他資本剰余金とその他利益剰余金」の額の合計がマイナスですので、「資本金」や「準備金」を減少(取り崩し)して「その他資本剰余金とその他利益剰余金」を増加に転じさせることになります。まさに法的手続き。

②の「繰越損失」の解消のためには、会社法上452条(計規153条)に「損失の処理」として、その他資本剰余金をその他利益剰余金に振り替えることになります。前記のとおり、分配可能額の変更はなく、会社財産の流出の局面ではないので債権者保護を考える場面ではありません。数字の変更、つまり、会計処理の変更です。

ここで、疑問が少々。会社法が施行されてからは、資本と利益の峻別が叫ばれています。ですので資本性のものを利益性のものへ、逆に利益性のものを資本性のものへ振り替えることはできないのではないかという疑問が涌いてきます。ですので、この②の処理がなぜできるのかが不思議で仕方ありません。

この点について参考書を紐解いてみますと、「資本と利益の峻別の観点は、払込資本に生じた毀損を事実として認識するものであり、払込資本と留保利益の区別の問題ではない。」)金丸和弘他『新・会社法実務シリーズ・8会社の計算』(2007 中央経済社)237頁)との解説があります。…よく意味がわかりません…。

会計の基準である企業会計基準1号「自己株式および準備金の額の減少等に関する会計基準61項」では、「利益剰余金がマイナスのときに資本剰余金で補填するのは、資本剰余金と利益剰余金の混同にはあたらない」という見解がありますので、そのまま丸呑みするしかありませんな。

ただ、この理を肯定した上では、利益剰余金がプラスの場合には、資本剰余金をもって損失処理はできないことが導かれます(混同にあたりますので)。

続く

2009年7月 4日 (土)

欠損填補と損失の処理違い(2)

一方で、②「損失の処理」の損失はなにかということですが、損失とは、繰越損失(その他利益剰余金がマイナス)のあることをいいます。その繰越損失がある場合に、他の剰余金の科目(注2)をもって繰越損失を解消することを損失の処理といいます。こちらは、会計の観点から導かれます。

(注2:他の剰余金の科目としては、その他資本剰余金がメインでしょうが、勘定科目として「任意積立金」とかも該当します。なぜなら、任意積立金は、もともと剰余金であり、それを会社の任意でたまたま積み立てているものなので、その基本的性質はその他利益剰余金ですので)

ポイント:繰越損失→その他利益剰余金がマイナスになっている場合にその他の剰余金の科目を振り替えて繰越損失のマイナスを解消すること

ここで気をつけるべきは、繰越損失がマイナス(その他利益剰余金がマイナス)の状態であったとしても、「その他資本剰余金」がその他利益剰余金のマイナスを補ってもまたあまりあるぐらい多額にある場合には、分配可能額がある(461条2項)ため、欠損にはなっていないことになる(計規151条))点が肝要です。

損失の処理自体は、会計処理の問題になりますので、法的効果としての分配可能額の算定には影響はでません(繰越利益剰余金の額が表示上変更することにとどまるだけです(※注3)。そして、分配可能額に影響が出ないということは、会社法手続的には債権者保護手続が不要ということにつながります。
(※注3:「自己株式及び準備金の額の減少等に関する会計基準19項、61項」)

双方とも、会社法上に定義規定がないことがまずわかりにくい一歩です。

続く

戦い前夜

今週は同業の方のブログを拝見して、いよいよ明日に迫る平成21年度の司法書士試験に触れられておられるなというのが所感です。

皆様さまざまな合格までの道程でさまざまなご苦労をかけておられまして、成功にはいろいろなパターンがあるなと思っておる次第です。私も自分でいうのも変ですが、「試験勉強」というものが大変苦手であり、当初考えていた試験合格までのスケジュールから大幅に遅れてしまったものです。耳が聞こえなくなりました。胃に潰瘍ができました。フリーターを経験しました。いろいろな思い出が頭をよぎりますが、不合格になるにはかならず掟があるというのが合格後の感想でした。

そこで、今回は私が考える不合格になるポイント(?)を述べてみたいと思います。(試験前日になんて不幸なことをと思われるかもしれませんが、このポイントを突いていなかったら合格は近いと反面教師で斜め読みしてください)

①本日7月4日に飲み会の予約が入っていないこと。当然の自粛が必要です。

②過去問を完全にこなしていないこと。過去問は問題の傾向を知る絶好の教材です。この過去問を受験生がみんなやっているわけですので、ここで差がつけられては合格は難しいでしょう。

③たくさんの問題に触れようとすること。試験までには答練や、その他の問題集を解く機会があり、その分自分が知らない問題に触れる機会が多くなります。ここで不安になるか、自分も知らない問題は他の受験生も知らないと思えるかが分岐点です。私はどちらかというと前者のタイプでして、不合格の受験の年はそれはたくさんの問題集を買い込んだものです。1度解いたぐらいでは自分の力にはなりません。インプットがアウトプットにつながらないのです。

④上記と重なる部分ですが100点満点を狙わないこと。100点で合格しようが最低点で合格しようが同じ合格です。100点満点を狙う勉強とは、重箱の隅をつつくような勉強スタイルでしょうが、これは効率が悪すぎます。しかも自分では重箱の隅をつついている意識が薄いから余計たちが悪いです。

⑤試験中あきらめること。安西監督が言っていました。あきらめたらそこで試合は終了だと。なんとしても受かりたいという精神論はやはり必要です。親を安心させたい、お金持ちになりたい、職が欲しい、別れた彼女を見返してやりたい、資格をとってスキルアップしたい等、合格に向けた動機はなんでもいいです。受かりたいという気持ちがないとまず受かりません。私は上のうちのひとつが強烈な動機でした。

このブログは受験者の方にも大変ありがたいことにみていただいておりますが、検索キーワードから推測するに、法務部や同業者の方であろう方からのアクセスが多く散見されます。ですが、本日は受験者へのエールとして、記事を投稿させていただきました。

では、また明日、みなさまにおかれましてはよき日になりますよう切に願っております。

2009年7月 3日 (金)

欠損填補と損失の処理違い(1)

資本金の額を減少する目的として、「欠損の填補」が挙げられます。しかし、会社法には、この「欠損の填補」という用語は出てこないのです。代わりにといっていいのかわかりませんが、会社法第452条には、「損失の処理」という素人目には欠損の填補と同じような内容のものが挙げられています。

では、これらはどのように違うのでしょうか?この分野(一般に会社法第5章の計算等の分野)は、会社法と会計の交錯の分野でありますので、司法書士として苦手意識を持たれるかたが多いのが実情ではないかと思います(私も苦手です)。

まず、①「欠損填補」の欠損とはなにかですが、その検討の前提として、分配可能額の計算方法が会社法461条で規定されています。そして、分配可能額(大雑把ですが、「その他資本剰余金とその他利益剰余金」の合計額(注2))がマイナスの状態のことを「欠損」の状態とされています。この欠損を解消すること、すなわち分配可能額を復活することが欠損填補です。(施行規則68条も参照)

したがって欠損は、分配可能額との兼ね合いから会社法上の観点から導かれます。

(注2:大雑把というのは、詳しい計算式は会社法461条1項を参考にということです)

ポイント:欠損填補→大雑把ですが、「その他資本剰余金とその他利益剰余金」の合計額がマイナスになっている場合を解消すること

続く

2009年7月 2日 (木)

監査法人の業務停止と会計監査人の変更登記の関係(3)

業務停止処分を受けた以前の会計監査人は、業務停止期間が経過することをもってただちに、従前の会計監査人の地位に復活することはありません。ですので、従前の会計監査人を再び会計監査人とする場合には、再度の選任行為が必要となります。(なじみのある監査法人さんを登用したほうが都合がよい会社は多いはず)

そもそも、業務停止を契機として、会計監査人を変更する場合には、340条1項2項で定める監査役全員の同意で業務停止を受ける会計監査人を解任し、定時株主総会で別の会計監査人を選任すればよいように思われます。また、業務停止を受けたことが大きな理由となった解任ですので、通常は、正当な理由に基づく解任に当たるでしょうから、会社としては解任によって生じた損害賠償責任を負うことはないと考えます。

では、定時株主総会で別の会計監査人が選任されている上で、再び従前の会計監査人を業務停止期間経過後に選任するとした場合、どういった手続が考えられるでしょうか。その方法論としては、2パターンあります。

まずは、一時会計監査人として選任するパターン。この場合には、株主総会を開催せずに選任できるメリットがあるように思われます。しかい、定款に会計監査人を2名以上置く旨の規定がない限り、従前の会計監査人を「一時会計監査人」として選任することはできません。なぜなら、346条の要件は、会計監査人が欠けた場合を想定しており、1名でも会計監査人が存在している場合は、会計監査人が欠けたには、該当しないためです。

次に、二つ目。臨時株主総会で会計監査人を選任しなおすパターン。しかし、定時株主総会で選任された会計監査人を数ヶ月のみ選任する行為は、監査の仕方としては問題があるかもしれません。

では。

参考

太田洋「監査法人への業務停止命令に伴う実務上の諸問題」商事法務1768号(2006.6.5)35頁

弥永真生「監査法人の業務停止と会計監査人としての欠格事由」商事法務1773号(2006.7.25)4頁

会計監査人の名称変更

昨年のこの時期に大手監査法人さんが有限責任化されたことで、名称変更されたことを昨日のことのように思い出しました。

そして、今年も7月1日に大手監査法人さんのTが有限責任化されました。

(ちなみに監査法人自体の登記実務は、平成20年3月21日付法務省民商第1008号民事局商事課長通知が参考になる登記研究732号43頁)

登記実務の観点からは、会計監査人の名称変更の登記が必要となります。先週に株主総会が終了した会計監査人設置会社の場合には、会計監査人の重任登記と名称変更の一括申請することになります。

新しい名称での重任登記申請も可能かと思いますが、時系列に沿って記載するのが原則かと思いますので、それに倣います。

今日ぐらいにはTの履歴事項証明書はとれるのかな?

では、また。

2009年7月 1日 (水)

出資金の払込用口座の開設及び受領権限の委任はできるのか?

昨日はココログのメンテナンスの日だったんだ…メンテナンスの日は必ずトラブルが起こるんですな。

さて、会社の設立の際に、発起人は設立のために必要な行為を行うことができます。ここで設立のための必要な行為の範囲については学説上、解釈が分かれております。

解釈が分かれていますがここでは、実務的な視点として、出資金の払込用口座の開設は発起人の権限であるのかそれとも、設立時の代表取締役の権限となるのかを具体的に考えたいと思います。

これについては会社法上、直接規定されていませんが、34条2項では、「発起人が定めた銀行等~(省略)~の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。」とされていますので、発起人が払込みの場所の決定権限があることから間接的に理解できます。

(「払込み」、「払込」、「払い込み」の違いはもちろんありますが、ここではスルーさせていただきます…あしからず)

問題点① 日本に口座をもっていない外国人の場合は?

発起人に日本の銀行の口座(※注1)を作ってもらえば問題はありませんが、日本に渡航したての外国人の場合に、金融機関(私の感覚では地方の信用金庫では特に)での口座の開設は難しいか、もしくは時間がかかるのが実情かと思います。

(※注1:銀行等の定義については、会社法34条及び施行規則7条の規制があります。外国の銀行の日本支店は、銀行法47条によって該当しますが、この点について間違ってたらご指摘ください。外国の銀行の支店を設立段階でまだ扱ったことがないもので)

そこで、手続としては、発起人にある払込用口座の開設権限及び払込金の受領権限を設立時役員の日本人に委任することが考えられます。日本人だと簡単に通帳が作れてしまいます。そのためには、発起人の決定事項の中のひとつとして、上記の委任事項を記載しておくことで対応できます。

外国人が発起人となった場合と外為の関係は(…不勉強ですんません。日銀のHPをみてください)。

問題点② 設立時役員以外の第三者に口座の開設権限及び受領権限を委任することは可能か?

日本人がひとりもいない会社の場合(もちろん役員の一人は、日本に住所を置いていることを前提とします)、どうする取扱いをすることができるのか問題となりそうです。この視点の射程として、クライアントから登記の委任を受けた司法書士の開設している口座でも可能なのかどうかといったところも踏まえて検討すると有益かと思われます。司法書士の口座でも可能であれば、見せ金、預け合いの防止に一役買うかもしれません。

この点、口座の開設権限等の「委任」に基づくものなので、当該委任契約が一身専属的なものでもありませんので、特段禁止する意味合いはないと私は考えております(しかし、実例として聞いたことがありませんので、責任は持ちません)。

では、また。

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