平成21年4月1日より、会社計算規則の改正があり、増資の際等に添付する「資本金の額の計上証明書」の根拠条文が変わったことは周知の事実となりました(根拠条文が大事なのではなく、その改正内容が一番大事ですよ、念のため申しますと。ただ、書類作成業務の観点から大事だということで)。
法務省のHPにも、登記用の雛形が掲載されており、大変に助かるところです。そんなある日、合同会社の社員の増加によって、資本金の額の増加の登記案件が私のところに回ってきました。
こんなときにも法務省のHPの「資本金の計上証明書」の雛形を参考にさせていただこうと思ってましたが、なんとその雛形がないではありませんか。
合同会社にまでは、手が回っていないとばかりに勝手に思い込み、計算規則と格闘しながた、我流の「資本金の計上に関する証明書」を作成しました。
① 払込み又は給付がされた財産の価額
(会社計算規則第30条第1項第1号イ) 金100,000円
② 資本金又は資本剰余の額として計上すべき額から減ずるべき額と定めた額
(会社計算規則第30条第1項第1号ハ) 金0円
③ 資本金等増加限度額 (①-②) 金100,000円
資本金100,000円は会社計算規則第30条の規定に従って計上されたことに相違ありません。
押印もしていただき、さて登記申請というところで、以前の合同会社の資本金の額の増加の際の添付書類を確認しようとなりまして(ここにきて)、はっと気がついたのです。
『合同会社のする資本金の額の増加による変更登記の際には、社員が出資を履行した場合であって、出資される財産が金銭のみの場合、「資本金の計上に関する書面」の添付は必要ありません(平成19年1月17日民商91通達)。』
このメモ書きがあり、冷や汗がでてきましたね。まぁ、書類が足りないより、足りているのでよかったものの久しぶりに情けない思いでした。ただ、書類を作成したのは、単に合同会社の資本金計上証明書がどんなものになるか確かめたかっただけの節がありますが…
また、次もやりそう…
この「資本金の額の計上に関する書面」添付不要の根拠は、二つあろうかと思います。
まず、一つ目。
株式会社の増資の場合も同様ですが、増資等の出資の際に係る費用の額を資本金から控除することができる旨が条文上においては備えられています(計規14条1項3号 持分会社につき、30条1項1号ハ)。ただし、この控除については、一般に構成妥当と認められる企業会計の基準を受けて、計規附則11条において零ベースで計算することになっています。零なので、計算するまでもないのです。
二つ目。
合同会社には、資本準備金の額がありません。そして、払込みされた出資の額のうち、資本金として計上されない部分は、資本剰余金とされます(なぜ資本準備金がないのかは不明)。
そして、出資された額のうち2分の1までは、資本金に計上すべき義務(この場合に、残額は資本剰余金です)がありません。資本と資本剰余金の区別が結構曖昧なんですね。これを受けて、計算規則第31条では、資本金をいつでも資本剰余金に振り替えることができることを規定しています。(株式会社において、資本金を資本剰余金に振り替える場合には、債権者保護手続が必要だったりします447条)。
資本金と資本剰余金の性質が接近しているせいもあり、資本金の計上証明書をわざわざ取り出して、資本剰余金に振り替える金額は0円です、とまでいわなくてよいんですね。議事録に、出資の全額を資本金に計上するか、または資本剰余金は0円と記載しておけば足りるんですね。
はい、合同会社の資本金の計上証明書に関する雑感でした。
では、また。
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