平成21年4月23日本経済新聞朝刊(14面)に東証が株式の第三者割当て規制の検討と題する記事を掲載しております。
東証マザーズに上場していた株式会社モックが、下記の株式併合(180条)と新株予約権の発行(236条)の組み合わせによって、既存の株主の地位を大幅に失わせたことに検討の端を発しています。
参考:2007年9月7日
第三者割当てによる新株予約権の発行に関するお知らせ
株式併合に関するお知らせ
例えば、もともと10株未満の株式を所有していた株主が、株式併合の割合を10株を1株とされれば、1株未満となり、株主の地位を失います。この場合には、端株の合計数に相当する数の株式を競売し、その売却代金を株式数に応じて配分されることになります(235条1項)。(もっとも、234条2項により、裁判所の許可を得て競売以外の方法により売却することも可能です)
株式併合により、端数が大量に発生するような併合割合自体も、もちろん問題(少数株主の排除の問題として)ですが、ここでは、株式併合と新株の発行を組み合わせたことにより、既存の株主の株式の希薄化をもたらしてしまう点が重要な問題点となっております。
この重要な問題点に対する解決方法として、①新株の発行決議段階でそのような希薄化をもたらすスキームに規制をするのがよいのか(アメリカ規制のように現在の株式の20パーセンチを超える新株発行の場合には取締役会の決議では足りず、株主総会の決議を要求するようなあり方)、
また、②当該スキームのような新株発行事態には規制をかけずに、1株未満となったような株主に対する代金分配の保護を強めることによって、既存の株主の保護とするのか、といった視点が必要ではないかと思います。(モックの場合には未だに株式の競売が行われていないはずですが)
東証が検討している規制というのは、①の入り口段階での発行決議段階での規制です。発行段階の規制については、公開会社では、会社法上特に設けられていないため、東証規定での上場会社に対する規制になります。
一方で、②の既存の株主保護については、会社法での規定があります(235条1項)ので、もう一度競売による株主保護のあり方を検討する必要があると思います。(上場企業だけでなく中小企業をも念頭に置いたもの)
参考:第三者割当てにおける株主総会決議の義務化の方針(2008.12.7)
(カネボウのTOBの価額決定の問題についても、少数株主保護の観点と共通しておりますので、この問題と絡めて考える必要があるのではないかと思います)
では、また。
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