一般社団法人における理事の任期
一般社団法人の理事の任期については、「選任後2年以内に終了する事業年度にうち最終のものに関する定時社員総会の終結のときまでとする」となっています(66条)。ただし、定款又は社員総会の決議によって、その任期を短縮することができます。
株式会社と異なり、任期を10年のように伸張することができないのが特徴です。そして、いくらでも法定任期を短縮することができるので、いわゆる補欠規定や増員規定を定めることができます。
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一般社団法人の理事の任期については、「選任後2年以内に終了する事業年度にうち最終のものに関する定時社員総会の終結のときまでとする」となっています(66条)。ただし、定款又は社員総会の決議によって、その任期を短縮することができます。
株式会社と異なり、任期を10年のように伸張することができないのが特徴です。そして、いくらでも法定任期を短縮することができるので、いわゆる補欠規定や増員規定を定めることができます。
とあるブログで参考にさせていただきましたが、東京の谷口先生公表のものを引用させていただきます。
http://www.jikohasan.cc/new/7ss.htm
自己破産に伴う職業・資格の制限については、横断的な整理ができていなかったので非常に助かります。
では、また。
2)非公開会社で現実に株券の発行をしていない場合
株券発行会社である以上、原則として株券は遅滞なく発行しなければなりません(215条1項)。しかし、例外として、公開会社でない株券発行会社は、株主から請求があるときまでは、株券を発行しないことができます(215条第4項)。
上記より、①非公開会社であること、②株主からの請求がないこと、の双方を満たせば、株券を発行していない状態であっても、215条4項の要件を充足し、適法となります。
①であることの証明は、登記記録上から明らかです。②については、株主からの請求がない旨を証明しなけれなならないと思われるかもしれませんが、実務上は要求していません。おそらく、その立証まで求めことが困難であることが挙げられるのではないかと私は考えております。
ですので、具体的な記載事項としては、株主名簿に株券不発行という事実状態の記載をもって、「株券を発行していないことを証する書面」となります。
3)公開会社で現実に株券の発行をしていない場合
会社法施行前より存在していた中小企業の多くでは、現実に株券を発行していないことが常態化していたように思います(株券を不発行にするという規定がありましたが…)。それらの会社は、株式に譲渡制限の規定を設定している会社であることが多かったため、会社法施行後は、非公開会社として、上記3)の適用により、「株券を発行していないことを証する書面」を提出し、株式併合や組織再編等の登記申請に用いることが可能です。
しかし、なかには株式の譲渡制限が設定されていない会社もありました。それらの会社は、会社法施行後は公開会社となるため、215条第4項の条文を形式的に適用すると、3)の適用ができなくなります。
確かに、公開会社が株券を発行していないのは違法状態であり、遅滞なくこの状態を解消するようにする必要はあります(株券を発行していない取締役に対しては、過料の制裁もあります(976条第14号))
。しかし一方で、公開会社ではあるが現実に株券を発行していない会社が、常に、株券の提供公告をする実益があるのかは、私個人的には疑問もありました。例えば、株主が社長1名である公開会社であっても、組織再編時に、株券提供公告をする必要があるのか、また、株券提供公告をする義務が存在するのかどうか。
相澤哲・葉玉匡美・郡谷大輔編著『論点解説・新・会社法』222頁では、株券提供公告をする義務がない旨の論調をとっています。
この点については、上記3)と同様に、株主名簿に株券不発行である旨を明示して登記申請することも可能であるのではないかと考えたりもします。
しかし、会社法215条に「違法」する書類を公の機関である法務局が受け付けることに弊害があるのは事実かもしれませんし、登記実務上もそのような扱いはしていません。
したがって、公開会社で、株券不発行にするには、かならず株券提供公告をすることが必要となります。
では、また。
標記の件につき公表されています。
http://www.tse.or.jp/rules/cg/white-paper/white-paper09.pdf
今年は、社外役員についての検討がブーム(?)になると勝手に私は思っておりますので、このデータでも特にそこのところが要チェックです。
では、また。
株式の併合、株式の譲渡制限の設定の場合、又は、合併等組織再編の場合には原則として株券の提出に関する公告をする必要があります(219条)。そして公告をしたことについては、登記申請の際に添付書類として要求されています。
但し、当該株式の全部について株券を発行していない場合は、この限りではありません(219条但書)。すなわち、株券を発行していない場合には公告義務がなく、登記申請の際に公告をしたことを証するそのものは不要となります。
この例外規定にあたることを証明するために商業登記法では、株式を発行していないことを証する書面の添付を要求しています(商業登記法59条1項2号)。
ここで、考察しなければならないのは、(1)219条但書きに形式的に該当している場合には、すべての会社で株券を発行していないことを証する書面の添付を要求するのかという点と、(2)株券を発行していないとは、具体的にいかなる場合を指すのかどうかということです。
以下、まず(1)の点について言及したあと、(2)の点について、場合分けをして検討してみます。
(1)219条但書きに形式的に該当している場合に、すべての会社で株券を発行していないことを証する書面の添付を要求するのか
例えば、登記記録上、すでに「株券を発行する旨」を廃止している会社の場合には、どうでしょうか。あえて、その「株券を発行していないことを証する書面」の添付を要求しなければならないのでしょうか。この場合には、登記記録上明らかであるため、理論的にも実務的にも、「株券を発行していないことを証する書面」の添付は不要です。この点で、商業登記法第59条1項2号の書面の添付が不要である事案があるということがいえます。
(2)株券を発行していないとは、具体的にいかなる場合を指すのか
1)すべての株主より株券不所持の申出がなされている会社の場合
株券を発行していない場合のケースとして、すべての株主より、株券不所持の申出がなされている会社のパターンが考えられます(217条)。この場合、会社は株券を発行しない旨を株主名簿に記載し、又は記録しなければなりません(217条4項)。したがって、当該株主名簿をもって、「株券を発行していないことを証する書面」として提出することになると考えられます。ただし、全株主より株券不所持の申出がなされている必要があるのはいうまでもありません。
つづく
施行規則第188条第7号以外の規定の確認。
第4号は、特例有限会社についての合併等の規定です。旧商法の際の有限会社の合併の場合の公告では、最終の貸借対照表について言及する必要がありませんでした。有限会社については、決算公告義務が課せられていなかったためです。
会社法施行後は、決算公告義務は引き続いて負いません(整備法28条)。しかし、公告としては、「決算公告義務がないこと」をわざわざ示さなければいけなくなりました。
個人的にはいつか間違えて決算公告も載せてしまいそうな…しかし、原稿チェックの際に官報販売所の方からだめだしを出されて世にはでないとは思いますが。
次に第5号は、設立後まだ第1期の決算期をむかえていないような会社を想定した規定です。
第3号、についてはまた追って。
では、また。
衆議院議員河野太郎発行メルマガの「ごまめの歯ぎしり」ブログ版というのをご存知でしょうか。
http://www.taro.org/blog/index.php/archives/989
そのブログの本日のテーマは、オンラインの内訳ということです。河野代議士は、杉浦法務大臣の任期の際に法務副大臣を務めたかたです。そのブログの記事の抜粋ですが、
~引用開始~
我が国初、オンライン申請の内訳調査の結果は、(平成20年11月26日から28日の三日間の申請)下記の通り。
オンライン申請件数 19687件 総申請数の約9%
うち完全オンライン 216件 オンラインの1.1%
特例方式 19471件 98.9%
完全オンライン216件のうち
登記識別情報の提供を要する件数 10件 4.63%
うち登記識別情報の提供 7件
本人確認情報の提供 3件
登記識別情報の提供は不要の件数 206件 95.37%
特例方式19471件のうち
登記識別情報の提供を要する件数 5749件 29.53%
登記済み証の提供を要する件数 5200件 26.70%
識別情報・登記済み証不要の件数 8522件 43.77%
登記識別情報の提供を要する5749件のうち
登記識別情報の提供があった件数 5371件 93.42%
うち規則67条で提供省略件数 2200件
本人確認情報の提供があった件数 232件 4.04%
うち識別情報不通知・失効件数 13件
事前通知があった件数 146件 2.54%
~引用終了~
完全オンラインの項目で気になった点が2点。
まず、1点目として、完全オンライン216件の内訳ですが、登記識別情報の提供不要件数が圧倒的に多数を占めています。双方申請での完全オンラインはまだまだインフラが整備されていない感が否めませんので、登記識別情報の提供による完全オンラインの件数増加は、まだまだ先のことになるのではないかと思っています。
2点目として、登記識別情報提供不要は、提供不要の代表的な申請である「名変」が、多数を占めているのではないかと推断できます。(住民票コードによる)
ですので、臨床的に、住所移転の申請を完全オンラインで提供している事案がかなり多いのではないかと私は思っています。
特例方式の項目について1点。
特例方式では、登記識別情報の提供の要不要に関わらず申請がなされているいます。私は、当初登記識別情報の暗号化やら復号化に対して苦手意識があったので、登記識別情報提供での特例方式はなかなか踏み出せないところがありました。ですので、特例方式の登記識別情報の提供を要する件数割合が案外多いのにはびっくりしました。コンピューターリテラシーが伴ってきたというところでしょうか。
では、また。
組織再編の際には原則として、債権者に対して債権者保護手続をする必要があります。この手続は主に、公告と催告(又は公告のみ)を行うことになっております(789条、799条。
その公告、催告の内容のひとつとして、消滅会社側では、「消滅株式会社等及び存続会社等(株式会社に限る。)の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの」と規定しています(789条第2項第3号)。
存続会社側では、「存続会社等及び消滅会社等(株式会社に限る。)の計算書類に関する事項として法務省令で定めるもの」となっています(799条第2項第3号)
これらの規定を受け、計算書類に関する事項は、施行規則188条(消滅会社において)、199条(存続会社において)で詳細に規定されています。
自分のための備忘録として。
証券保管振替機構
証券決済制度改革推進センター(株券電子化小委員会含む)
組織再編に反対する株主の保護としては、株式の買取請求権をもってすることになっています(785条、797条)。登記に直接関係はしないことが多いと思いますが、合併等の法定手続を踏む上で株式の買取請求についての理解も当然に必要になってきます。
合併の際には、消滅会社は、効力発生日の20日前までに株主に対して、「吸収合併をする旨並びに存続会社の商号及び住所」を通知しなければいけない(785条3項)。
但し、公開会社の場合には、株主の変動が激しいため通知することは不可能です。もちろん、124条の基準日を定めてその日の株主に対して通知をすることは物理的には可能ですが、現実的ではないと思います。したがって、通知の変わりに公告をもって代えることが規定されています(785条4項第1号)。
さらに、もうひとつの例外規定が785条第4項第2号において、株主総会の決議によって合併契約の承認を受けている場合です。株主総会の招集通知に合併の詳細について規定されている(計算規則86条)ことから再度の通知は不要という理解かと思われます。
このことから、中小企業の場合は、株主総会招集通知発送後、効力発生日までに20日以上あいている場合には、反対株式の買取請求権の通知事項である「吸収合併をする旨並びに存続会社の商号及び住所」を招集通知で代替できることになるります。
株式買取請求のほかに、「消滅会社」では、新株予約権買取請求についての規定もあります(787条)。存続会社の新株予約権の買取規定はないんですね。この場合には株式買取請求権の例外規定のような公開会社である場合や、株主総会決議の承認を得ている必要はないですので、いつでも通知を公告に変えることができます(787条4項と785条4項とを比較)。
株式買取請求権も新株予約権買取請求権もどちらも「公正な価格」での買取り請求です。上場企業でも問題となる論点ですが、中小企業の場合には市場価格が形成されていないため、さらに判定が難しくなるでしょう。
では、また。
最判平成21年1月22日
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090122111638.pdf
金融機関は、預金契約に基づき、預金者の求めに応じて預金口座の取引経過を開示すべき義務を負う
預金者の共同相続人の一人は、他の共同相続人全員の同意がなくても、共同相続人全員に帰属する預金契約上の地位に基づき、被相続人名義の預金口座の取引経過の開示を求める権利を単独で行使することができる
保存行為による単独での権利行使の事案です。
会社規模の拡大による機関設計の変更の一場面として、監査役会設置会社に意向するケースがあります。上場準備のために設置することもあります。
今回は、監査役の権限を「会計に限定」している株式会社が、監査役会設置会社に移行する場合の注意点についてです。会社法第389条により、公開会社でない株式会社(監査役会設置会社を除く)は、監査役の監査の範囲を会計に関するものに限定することができます。
その会社が、監査役会設置会社への移行をするには株主総会で機関設計に関する決議をする必要があります。その決議が可決された場合に、監査役会設置会社の監査役は3名以上必要となりますので、監査役の選任決議をする必要があります。
ここで気をつけなければならないのが、従前の監査役の権限が変わることによる退任が生じてしまうことです。
389条における会計限定の監査役の設置をすることができる規定は、監査役会設置会社には適用されません。そして、監査役会設置の旨の決議が可決されたことをもって自動的に監査役の権限が業務監査権限を含んだものまで拡大します。
この業務権限の拡大によって、336条第4項3号が定める監査役の退任事由である、「監査の範囲を会計に関するものに限定する旨の定款の定めを廃止する定款の変更」に該当するため、監査役の退任が必要となります。
小さな権限から大きな権限にかわるため、再度監査役の信任を問う必要がでてきるのです。
では、また。
昨年12月1日よりいわゆる法人法が施行され、簡易に法人格を取得できる類型ができています。わたし個人的には、今後は今まで用いられていたNPO法人の変わりに一般社団法人へ軸足が移っていくと思っています。
しかし、それでもなおNPOがよいメリットがあるのかどうか一般社団法人との比較の観点から再検討する必要があるのではないかと思っております。
さしあたって、その資料として内閣府のHPよりNPOについてのものがありますので、備忘録としてあげてあきます。
http://www.npo-homepage.go.jp/pdf/030204.pdf
どなたかそれでもNPOがよいとお考えになる方がおられましたらぜひお知恵を拝借したい限りです。
では、また。
http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20090120AT3S1901B19012009.html
企業再編のスピード化に資するものです。
メディセオとアルフレッサの件があっただけになかなかホットなテーマだと思います。
では、また。
旧商法時の法令に基づく会計帳簿閲覧請求の拒絶事由についての判決です。
「親会社の株主による子会社の会計帳簿等の閲覧謄写許可申請において、当該株主が子会社と競業をなす者であるなどの不許可事由があるというためには、当該株主に閲覧謄写によって知り得る情報を自己の競業に利用するなどの主観的意図があることを要しない」と判決を下しております。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20090120114655.pdf
本件において争点とされた旧商法の293条の8第2号が準用する293条の7第1項第1号は、
「株主が会社と競業を為す者なるとき、会社と競業を為す会社の社員、株主、取締役、若しくは執行役なるとき又は会社と競業を為す者の為其会社の株式を有する者なるとき」が閲覧拒絶の事由として掲げられています(一部ひらがな標記へ簡略化)。
この条文の解釈として、株主の主観的な意図まで閲覧拒絶の場合に要求するかが争われ、要求しないことが判事されたことになります。
一方、会社法では、433条第2項において、5つの場合に会計帳簿の閲覧を拒否できる事由が定められています。上記旧商法の条文との対応関係は、同条同項第3号が該当します。
会社法の条文は、旧商法の限定列挙的な主体を改めており、「実質的な競争関係にある者」と表現を変更しています。実質的な競争関係にある者のほうが旧商法の文言と比較して広範な者を対象にしていると解釈する余地があるかもしれません。しかし、両者の規定振りを照らしあわすと、実質的な趣旨は同じであると考えることができると思います。
従って、上記判決の説示も会社法になったとしても射程が及ぶものと思われます。
今年も高校生の天王山たるセンター試験が終わりました。わたしが高校生のころは特段の混乱はありませんでしたが、最近はリスニングが導入され、その機械の故障が新聞の紙面を賑やかしておりますね。運不運という言葉で片付けることは適切ではないかもしれませんが、そんな環境でも受かった人は将来きっと大きく羽ばたく機会を得るのはないでしょうか。
話は違いますが、かくいう自分も司法書士試験の際に、機械の故障等による避けられない障壁はなかったものの、試験の日には毎年(何回受けたかは門外不出の秘密です)高熱とげりとの戦いでした。試験浪人晩年には勉強対策より健康対策に力が入ったぐらいです。
人生は思ったようにはいかない。けれどもなるようになるもんだとたまに思います。
センター試験の結果がわるかろうがよかろうがなるようになると思って前に向かって走ってもらいたいものです。(過去の自分をはげましているようで…)
では、また。
「能書きはいい。飲めばわかる」と昔あるCMで芸能人の方がおっしゃておりました。まさにそのとおりの感じで飲めばわかる、食べればわかる。
また、おいしいだけでなく、ヘルシーなのも助かりますね。メタボ予備軍へと軸足を徐々に移している現状から逃避するわけではないですが。
このお店はヘビーリコメンドです、はい。
http://www009.upp.so-net.ne.jp/fumido/index.html
本日もいってきます。
では、乾杯。
医薬品会社のメディセオ・パルタックホールディングスとのアルフレッサホールディングスが公正取引委員会の届出が受けられないおそれという理由だと思うが合併の白紙撤回の件が掲載されています。どこぞの外国会社の日本法人かと思っておったのですが、日本の会社みたいですね…
ややこしや~、ややこしや~
http://bizplus.nikkei.co.jp/manda/news.cfm?i=2009010810910ma
総資産又は売上が一般的に大きい(どこから大きくてこの届出の対象になるかどうかは下記条文参照)場合には、事前に公正取引委員会への届出が必要となります。
合併をしてはいけない場合として、第1項に「一定の取引分野における競争を実質的に制限する」場合が規定されています。このような形式基準ではない実質基準が規定されていますので、実際の大きな会社同士又は、上場企業を親会社にもつ小会社同士の合併等の場合には慎重な判断が必要です。我々司法書士もこの点について注意です)。
ただ、実務的には第2項の総資産基準についてのほうがより身近(?)かもしれません。形式的に100億円を超え、かつ、他の会社が10億円を超えるときには届出が必要になります。
実質的な判断基準については浅識なので、私は、少々下記よりお勉強が必要です。
Wikipedia:私的独占の禁止及び公正な取引の確保に関する法律
私的独占の禁止及び公正な取引の確保に関する法律(昭和22年法律第54号)(独占禁止法)
金融審議会の作業部会の案として、上記の論点を提示するみたいです。
http://bizplus.nikkei.co.jp/genre/top/index.cfm?i=2009011708677b1
社外役員の導入という点から、社外取締役の設置の有益性は、講学上次の点にあるといわれています。
まず株主が抱える問題として、今でこそ株主代表訴訟や、株主総会における議案提案権の行使といった株主の権利行使が増えだしてきていますが、以前として、経営者に対する監視が低い現状です。経営者支配が生まれる恐れがあります。
また、役員サイドの問題点として、て日本の取締役は従業員から役員になるような者が多く、社長と対等に物を言えるものが少ない現状にあります。本来経営者を監督する取締役が社長のいいなりの組織として形骸化してしまうので、取締役の意味が薄いものになります(362条)。
株主のチェックと取締役のチェックの両方がうまく機能しなくては、業務執行が適切に行われているのかそうでないのかの判断ができなくなります。ひいては、株主の利益に反することになるおそれが生じることになります。
この問題意識を受けて、役員サイドの問題点の解決策として、外部人材を登用し、社長と対等に議論討論できるシステム構築する必要があるという論理展開をすることになります。その論理展開の具体策として、社外取締役の設置が俎上に挙がることになります。
この方針は、経済産業省の企業統治研究会でも取り上げられています。
http://sihousyositalaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-ca55.html
この点については、新米のわたくしは、下記のようにエントリーしています。http://sihousyositalaw.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-ace7.html
社外役員の人材不足であることや、従業員から役員になる慣習が非常に高い日本型のシステムに社外取締役が根付くのかもう少し検討してみる必要があります。株の持ち合いのように役員の持ち合いのように制度の趣旨を骨抜きにさすような事態にはならないようにしなければと思った次第です。
では、また。
一般社団法人の公告方法は、定款の絶対的記載事項となってます(11条)会社法では、定款の絶対的記載事項ではなかったのですが一般社団法人では、必要ということです。そんなに大切なんでしょうか?という疑問も少々…。
さて、公告方法の種類については、法人法331条に4つの方法を明示しております。
会社法と同様に、①官報公告、②時事に関する日刊新聞紙、③電子公告がまずあります。さらに一般社団法人独特の方法として、④主たる事務所の公衆の見やすい場所に掲示する方法が認められています(組合や宗教法人ではたまにみますが)
一般社団法人は、決算公告をする必要がありますので、その決算公告の費用の観点からの検討があるかもしれません。費用が一番割安になるのは、間違いなく④ではないでしょうか。お金はかかりませんから。
この費用計算の段階で、日刊新聞紙と電子公告は候補からはずれました。ではなぜ官報が残ったのかというと、④の公告のデメリットの点です。
④の公告は、当該公告の開始後1年を経過するまで公告し続ける必要があります(法人法施行規則88条)法人にしてみれば、赤字決算であった場合に1年間張り出し続けるのは抵抗があるかもしれません。また、今後頻繁になるかわかりませんが、合併等の組織再編時に債権者保護手続として④と官報公告を併用することで債権者への個別催告を省略できるわけではないことです。248条第3項では個別催告の省略については、日刊新聞紙又は電子公告のみが認められており、④は排除されています。ですので、この場合でも費用省略のメリットがあまりないことになります。
したがって、官報公告という方法を採用したところです。
では、また。
公益法人information
https://www.koeki-info.go.jp/pictis_portal/common/portal.jsp
内閣府のホームページより独立していますので、今までのURLから変更あります。
定款記載事項の目的については、公益認定との関係で考察することが多いと思われます。認定を受けることを想定していない場合は、認定法の基準に適合するかどうかの判断が必要ありません。ですので、会社法の目的審査と同様に、明確性、適法性等の要件を満たすか否かの検討になるかと思います。
もっとも、具体性を要求するかどうかについては会社法の取扱いと同様に、実務上、登記官は審査しないですが、公示の観点から具体的な記載をクライアントには進めることになるのではないかと思います。
さらに、直接「営利」を目的とする事業内容を定款に落とし込むことは「違法」又は、「適正ではない」か検討しました。収益事業を副次的に行うことも可能ということですので、一般社団法人の設立の際には、一部挿入しました。
一方で、公益認定を受けることになる法人の場合では、内閣府の提示している定款変更案では、説明の箇所に「事業内容を具体的に記載する必要がある」としています。その関係では、認定法第5条第1号では、各法人の目的は、「公益目的事業」を主たる目的としなければいけません。公益目的事業とはなんぞやということですが、認定法第2条4号において、「学術、技芸、慈善その他の公益に関する別表各号に掲げる種類の事業であって、不特定かつ多数の者の利益の増進に寄与するものをいう。」と規定されています。
認定法の別表では、23号にわたって、その事業内容が決められており、従来の民法34条で定めれていた民法法人の目的例と比較して増えていることが特徴です。ただ、別表の規定は抽象的なので定款に落とし込む際にどこまでの記載をするかは悩ましい点です。
では、また。
取締役の報酬は、他の会社の経費と同様に取締役会の業務執行の一環として決定するのが理屈から導くことができます。しかし、お手盛りの防止のため、定款の記載又は株主総会の決議によって取締役の報酬を定めることとなっています(361条1項)。
中小企業の場合、このお手盛り防止というのはあまり趣旨として射程はは及ばないかもしれません。なぜなら、代表取締役たる社長がオーナー株主であることが多く、株主総会において自由に議案の提案ができ、可決することが可能だからです。
それはさておき、取締役の報酬を減額できる場合については解釈がわかれます。
肯定説(大阪地判昭和47.12.21)報酬の決定手続があるように、減額も再度の決定手続として位置づけるとするならば、可能であるとする見解です。当該取締役の同意は不要です。
否定説(最判平成4.12.18)報酬が会社と取締役の報酬支払契約の変更の問題であるから、特約がない以上、会社が一方的に変更することはできないとする見解です。(取締役の承諾があれば可能)
ここで、同僚と議論をしていたのですが、とある会社の取締役が交通事故で意識不明のため、業務執行ができないような特段の事情があった際にその者の報酬額の減額ができるかどうかが明らかではありません。減額ができないと不都合ではないかと直感的には思いましたがなかなか論拠がはっきりしません。
減額できるなにかいい論理がありましたら教えてください。
では、また。
一般社団法人の設立に当たって、自分の備忘録として。
一般社団法人として、将来的には公益認定を申請するのかどうかによって定款作成の思考のスタート地点が違うと思います。公益認定を受ける際には、定款記載事項についてどうしても内閣府の公益認定等委員会より発表されている公益認定基準やガイドラインに適合するよるにしなければならないからです。
まず、一般社団法人の設立にあたっては定款を作成する必要がります。一般財団法人についても寄附行為ではなく、同様に定款作成が必要となりました、(第10条)
定款の作成にあたり、まず第1章として、通常下記の表題を置き、その旨の規定を記載します。
1)名称、2)主たる事務所、3)目的、4)公告、5)機関の設置
このほかにクライアントからの依頼として、法人の理念を入れたりといわれましたので、その旨を挿入することにしました。以前LLCの設立に関わった際にもその導入を検討しましたので、今回は、法人法の趣旨にも触れたものとしました。
会社法の施行に伴い、既存の有限会社は特例有限会社として存続しておりますが、いつでも株主総会の特別決議をもってして通常の株式会社に移行することができます。
個人的には、有限会社は、決算公告が不要ですし、役員の任期もないということで、中小企業にとっては使い勝手のいい組織類型だと思います。
しかし、自社の大口のお得意様から「株式会社」としか取引はしない旨の宣言を受けることにより、しぶしぶ株式会社に移行する会社も少なからず見られます。また、ただ単純に「有限会社」より、「株式会社」のほうが立派なイメージがあるという理由で移行を決意されるかたもおられました。
そこで、この移行の措置を採用した場合に、有限会社名義であった不動産の名義を株式会社に変更するには、いったいどんな手続が必要になるのか検討する必要があります。
有限会社→株式会社ですので、所有権移転登記??
実務上は、商号変更を原因とする登記名義人の名手の変更の登記をすれば足ります。当たり前といえばそれまでですが…
年のため、解説は、『登記研究』700号199頁です。
では、また。
最新のものとはいえないが、中間省略に関する高裁事例が挙げられています。
http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20081007113829.pdf
不動産登記法改定前においても中間省略登記を許す旨の規定はないことにまで言及しているのは特筆すべきことでしょう。
実務上、不動産取得税や登録免許税の負担軽減が大きな理由として、中間省略登記の必要性を訴えているかたもおられるのは事実です。
司法書士としては、実態に合った登記申請をする義務があるのはもちろんですので、この判決の意義を真摯に受け止める必要があると思います。
では、また。
いわゆる株券電子化が始まりました。
保管振替制度において取扱対象とされている株券を発行する会社において、振替制度への移行日に、株券を発行する旨の定款の定めを廃止する定款の変更の決議をしたものとみなされます。
株券を発行する旨は、登記事項ですので、このみなし定款変更の適用があった際には、登記をする必要があります。
登記上の添付書類としては、商業登記法第63条により、「会社法第218条第1項の規定による公告をしたことを証する書面又は株式の全部について株券を発行していないことを証する書面」が必要になります。
しかし、法律によって、当然に株券を発行する旨の定款の定めが廃止になることから、公告をする必要はありません。ですので、上記の公告をしたことを証する書面を添付するのではなく、別途法律によって当然廃止になったことを証する書面を添付する必要があります。
それが、「株式等の取引に係る決済の合理化を図るための社債等の振替に関する法律等の一部を改正する法律(平成16年法律第88号)」の附則第6条第1項の規定により、定款の変更の決議をしたものとみなされる場合に該当することを証する書面を添付することになります(同7項)。
当該書面は、株式会社 証券保管振替機構より発行されてます。
では、また。
法務省のホームページに下記の通達が発出されています。取り急ぎメモとして。
このようにホームページ上に掲載されると非常に助かります。
平成20年9月1日法務省民商第2351号通達
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji167-1.pdf
平成20年9月22日法務省民商2359号民事局商事課長依命通知
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji167-2.pdf
では、また。
発行する株式の内容として、譲渡による株式の取得につき会社の承認を要する旨を定款に定めることができることとされています(107条2項1号、108条2項4号)。そして、その定款規定を登記する必要があります(911条3項7号「株式の内容」として登記する)。
この譲渡承認の手続は、株主が、会社に対して譲受人が当該譲渡制限株式を取得することについて承認をするか否かの決定をすることを請求します(136条)。株主からの請求がこれだけですと会社が承認をしない旨の決定をすればそれを手続が終了します。
ところが、株主から、会社が譲渡の承認をしない場合に備えて会社または指定買取人が買取ることを請求された際は手続が少々複雑になってきます。上記の承認のみのパターンは、具体的には、特定の者にだけ譲渡したいがそれがだめなら今のまま自分が所有しておきたいようなニーズが考えられます。その一方で、買取まで請求するのは、投下資本の回収のニーズが高まっている場合です。
会社が買取り請求先に指定されている場合に、会社が譲渡承認をしない場合には当該株式を買取る義務が発生します(140条)。
このように、会社が株式を買取り、自己株式とする点で、特定の株主からの自己株式の取得と同じ目的を果たすことができます。
特定の株主からの取得と、株式譲渡不承認による会社の買取の双方とも
1)株主総会の決議が必要ですし、2)会社の財源規制が必要ということで共通しております。
異なる点としては、価額決定についてです。特定の株主からの自己株式の取得の場合には、その価額は交渉によって定まる要素が強いのに対し、譲渡不承認の場合には、1株あたりの純資産額に株式数をかけたものが価額となり、価額が法定されている点が挙げられます。
また、手続につきましても譲渡不承認の場合に、価額の払込みは供託が必要となり独自のものとなっております。
クライアントから自己株式の取得の案件の相談の際に、そのスキーム作成(素描)を少々考えております。
では、また。
会社法第440条第3項には、会社が貸借対照表の電磁的開示の制度を採用することができる旨を定めています。すなわち、ホームページ上に、貸借対照表を掲載することです。
当該規定については、どの機関で決定できるかについて明らかになっていないため、取締役会設置会社では、取締役会で決定するのか、または代表取締役の決定のみで足りるのか明らかではありません。この点については、松井信憲『商業登記ハンドブック』90ページによれば、旧商法283条第7項の「取締役会ノ決議ヲ以テ」の文言が削除された改正経緯に鑑み、代表者の決定のみで足りる考えが明らかにされています。
登記上も委任状のみの添付申請で可能ですので、この見解を承認しているものと考えることができます。
これとは別の論点ですが、今回依頼があった件で依頼者から考えさせられたのが、グループ会社がひとつのホームページ上のURLで各会社の電磁的開示がなされることの有効性の点です。自社の登記簿の貸借対照表の開示の欄に別会社の文字を冠したURLが記載されることに違和感があったたため、疑問となりました。
この点についても、前出90ページが引用する「中川晃「平成14年4月・5月施行商法等改正に伴う商業・法人登記事務の取扱いについて(下)」登記研究658号143頁及び、江原健志=太田洋「平成13年商法改正に伴う政令・法務省令の制定(上)」商事法務1627号8頁では、他の会社が開設したものであっても差支えないとの旨の記載があります。
さらに、前出の資料によれば、登記されたアドレスのウェブページから、その会社の貸借対照表に係る情報にだれでも簡単に到達できれば、有効であると述べられていることもあり、特段自社の会社名を冠する必要はない旨の論調を補強しています。
わたしとしても、会社自身が必ずホームページ等のウェブサイトを作成する義務はありませんし、また、登記簿より、簡単に貸借対照表に到達できる旨のウェブサイトであれば、別会社のものであっても有効であると考えます。これにより、費用的には効率化も図られますし、維持管理コストも割安となり会社にとってはメリットが大きいと思います。
では、また。
長らく更新していませんでしたが、決して忙しかったというわけではありませんでした。正月は、毎年恒例の実業団駅伝と箱根駅伝のテレビ鑑賞に耽っておりました。
特に、今年の箱根駅伝は、優勝したチームの独走ではなかったこともあり、テレビに釘付けとなりました。前評判や前哨戦となる全日本では、駒大有利そして対抗馬は早稲田とのことでしたので、その軸を中心として鑑賞してました(1万メートルの平均タイムは東洋が一番だったらしいですが)。
しかし、事実は小説より奇なりとはよくいったもので、昨年までの5区山登りの神といわれた順天堂大学の今井の記録をあっさり破る東洋のルーキー柏原の誕生。駒大のシード落ち。みどころがたくさんありました。
来年はどんな駅伝を見せてくれるのでしょうか。東洋の連覇を防ぐべき、捲土重来の駒大の意地という構図でわたしはみるのではないでしょうか。竹沢が去った早稲田もスーパー1年生の1年間の成長も楽しみではありあますが。
まだまだウインタースポーツは続きますが、みるだけでなく、たまには自分も体を動かしてプレーヤーのほうに回らないといけませんね(メタボ…)
では、関係各位のみなさま、今年もよろしくお願い申しあげます。
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