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2009年12月30日 (水)

私が選ぶ今年商業登記でお世話になった本ベスト8

年末になんでもランキングにすればいいってもんじゃないのは重々承知のところですが…

私もなんとかランキングというものをしようと思うと、当ブログの性質からはやはり商業登記ベースで述べさせていただこうというものです。

(本当は、来年活躍しそうな広島カープの選手ランキング10をやりたいところ)

第1位は、

商業登記の王道を行くところです。種類株式、組織再編ではその分量不足ですが、機関設計の項目では、解釈等も踏まえ参考になるところが多々ありました。しかも、第2版がでたのは大変ありがたいところ。

次に第2位は、

組織再編の第一人者である金子先生の代表作でしょう。会計の分野の説明はこの分野の書物の中では群を抜いております。しかし、平成19年4月の計算規則の大改正に対応していないので、私としては早く第2版の登場が待ち遠しいところです。

第3位は、

第3位という位置づけは厳密な意味ではありません。この書籍はどちらかというと第2位の本とセットでひも解いていくべきではないかと思っており、この順位にしております。

第4位は、

こちらも金子先生の書籍です。第2位の書籍と同様に、計算規則の改正には対応しておりません。しかし、計算規則に改正により、計算規則の詳細な内容は企業結合会計、いわゆる会計畑に移行した感がありますが、その移行前の内容についての計算規則の内容についての説明は、大変助かりました。改正前の内容ですが、今でも読み続けるべきだと思っております。

第5位は、

私は、まだ第2版までしか目を通していないのですが、この登記という商業実務の着地点を目指すための解釈論の理解に際しては江頭先生の会社法をよりどころにしているところです。正直、第1版を初めて読んだときには、無知なため、内容がまったく頭に入らなかったところですが、最近は、少しずつ咀嚼してきたかな(私の思いこみ?)と思ったりなんかしています。

第6位は、

まさに、コンメンタール。募集株式の発行、新株予約権、組織再編のあたりは大変重宝しておるところです。

第7位は、

合併に関する時系列に沿った説明、特に登記の添付書類にはなりませんが、反対株主に対する通知等の実務について詳細な解説が施されているので助かります。計算規則についても改正に対応しておりますが、やや説明がかたいところがあり、まずは金子先生に種々の書籍を読んだ後に、検討することをお勧めします。

第8位は、

上記の本の兄弟版みたいなものです。はい。

番外編

条文集は、ずいぶんとこれに頼っています。毎版購入はもちろん、職場、家と2冊購入しております。

わたしのブログの記事は上記の書籍を参考にさせていただいております。しかし、私の拙い文章力、思考力のため、上記のすばらしい書物につき、誤解や曲解が生じているところもあるかと思いますので、読者の方にはぜひ原本に当たっていただきたく思います。

では、また。

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2009年12月29日 (火)

公益認定による設立の添付書類③~新たに選任する役員に関する書面その1

「新たに選任する評議員、理事、代表理事、監事又は会計監査人がいる場合」の書面

これがけっこう私には難解なイメージがありました。というのもこの文言の前提とされている理解が浅かったからです。

この文言の前提としては、特例法人が任意に、(新制度上の)「評議員、評議員会、理事会、幹事を置くことができます(整備法91条2項3項)

この条文のミソは(古いいいかた…)、「新制度上」の各機関を公益法人へ移行するまえに設けることができるということです。あくまでも新制度として設置することが肝要です。新法施行前に法人で任意に「評議員」を名乗っていたとしてもこれは、新制度上の評議員ではないということです。

ちなみに、理事等も「新制度上の」理事として、また新しい手続を踏む必要がでてくるのかという疑問がでてきそうですが、整備法48条において、理事及び監事は法人法上の理事、監事とみなされていますので、新制度上の理事、監事となり、なんら手続は必要ありません。もっとも任期については、留意点がいくらかあります。

新法施行前の法人がなにもしていなかったら、上記の各機関の中で理事のみがなんら手続をすることなく(任期につき別途見当)スライドすることになります。あら、いきなり監事がもれているやないかといわれるところです。確かに、上述したとおり、監事は法人法上の監事とみなされています(整備法48条)。ということは、理事と同じくなんら書類なくして登記ができるじゃないかと思いそうですが、これは無理な相談です。

旧民法の財団法人の役員欄の登記事項は各理事のみとなっています。監事が登記記録上、でてこないんですな。ということは、スライドさせようにもスライドするもとの記載がないのです。したがって何ら書類なく監事を登記することはできません。

じゃあ委任状に書いていたらいいじゃないかと思われるかもしれませんが、旧民法法人の監事は○○とか。でもどうやら不可のようです。ですのでここは原則に戻り、「選任」に関する書面を添付する必要があります。監事は、寄附行為(法人法施行後は、定款とされているもの)にのっとった選任機関で選任されますので当該書類を添付することになります。法人法施行前の議事録であることも多々あります。監事についてはあたかも、「新たに選任する」という枠組みを利用する形で、その選任に関する書面及び就任承諾書を添付することになります。

したがって、その選任を証するために、①選任根拠規定が記載されている寄附行為(又は読み替えられた定款)、②寄附行為で役員を評議員会で選任する旨が定められていれば、評議員会議事録

になります。また、選任された方の就任承諾書をともに提出することにします。

新制度上の上記各機関をすでに設けている法人で、かつ、当該機関に就任しているかたがそのまま公益法人の各機関にスライドするのであれば、この「選任を証する書面」はいらないことになります。

したがって、当該添付書類の射程の大部分は、いきなり公益法人へ移行する法人がカバーすることになると思われます。

2009年12月28日 (月)

公益認定による設立の添付書類②~定款変更の手続をしてことを証する書面

次に、「定款変更の手続をしたことを証する書面」。

う~んむ、特例財団法人が定款変更して、公益財団法人に移行するにはどういった手続が必要なのかをまず考えなければなりません。

特例財団法人は、経過措置として2つのパターンがあります。これは旧寄附行為の違いに起因します。まず、旧寄附行為に定款変更の定めがあったか否かによって違いがでてきます。だんだんと知識が薄くなっていたとことですが、社団法人は原則として、総社員の4分の3以上の同意があれば定款変更が可能であったのに対して(旧民法38条)、財団法人は社員がいませんから、寄附行為を変更できる旨が寄附行為自身になければ、寄附行為を変更することができませんでした。

この違いを受けて、①整備法第94条第2項では、定款の変更に関する定めがある特例財団法人(基本型ともいいましょうか)は、当該定め(旧寄附行為にのっとり)に従い、定款の変更をすることができます。

一方で、②寄附行為の変更をすることができる旨の定めのない特例財団法人は、「救済手段」として、整備法94条第3項として、理事の定めるところにしたがって定款の変更が可能な旨が定められています。

(※文言の上で、寄附行為と定款がでてきますが、旧財団法人の寄附行為は、特例になった段階で定款と読み替えられていますので、注意が必要です。整備法40条による初歩的なものですが)

実務上、主務官庁からのお達しで、旧財団法人の寄附行為を変更できる旨(例:理事の3分の2以上の同意と主務官庁の許可等)を寄附行為の上に定めていましたので、上記の②に該当する事は少ないものと思われます。

また、この定款変更は、特例財団法人が、「評議員設置特例財団法人」になっていたら適用はありません。なぜなら、原則どおり法人法200条に基づき、評議員が変更することになるためです。

前置きがずいぶんと長くなってしまった…というわけで、「定款変更をすることができる規定のある旧財団法人」は、(旧寄附行為を何ら変更せず、いきなり公益認定を受けることになる法人の場合は、)旧寄附行為にのっとり定款変更=公益認定を受けることになる定款(案)を決議することになります。

添付書類は、原則的な形ですと、旧寄附行為、理事会議事録、評議員会議事録

となろうかと思います。

では、「新たに選任する評議員、理事、代表理事、監事又は会計監査人がいる場合」の書面。

続く

2009年12月27日 (日)

平成22年度税制改正大綱(資料編)

成21年12月22日、ようやく来年度の税制改正大綱が公表されました(25日に一部修正あり)。

http://www.cao.go.jp/zei-cho/etc/pdf/211222taikou.pdf

自民党次代の税制決定が与党と政府のダブるスタンドードでの決定に対して、民主党は政府一元化での決定方針に方針転換が図られ、ずいぶんと税制決定のプロセスがわかりやすくなりました。

参考までにあげておきます。

公益認定による設立の添付書類①~認定を受けたことを証する書面

今年の汚れは今年のうちに(報告)

まずは、現在の特例法人が公益法人へ移行する場合には、移行の認定を受けることになりますが、その認定をする機関についての覚書を。この流れの確認は、公益認定を受ける行政庁の確認になりますし、認定を受けたことを書面の的確性の判断材料にもなります。

まず、条文の中におけるそのスタート地点は、

公益認定等委員会なるものが認定法第32条に基づき内閣府に置かれています。そして、都道府県にその下部組織として、審議会その他の合議制の機関を置くこととされています。

この下部組織についての必要な事項は、各都道府県の条例によって定められており、「公益法人information」(HPより誰でも閲覧可能)より各都道府県のものが閲覧できるようになっています。その条例には、公益認定等審議会の設置基準が定められています(条例も上記の公益法人informationより参考にできる都道府県もあります)。

ということで、公益法人の認定に関する看板は、各都道府県の公益認定等審議会が背負っていることになります(2以上の都道府県にまたがって事務所を設置する法人は除きます)

では、認定の流れは、まず知事が審議会に認定をしていいのかどうか諮問しなければならないと規定されています(認定法51条、43条)この諮問があるかどうかは上記の公益法人informationからは確認できないようです(しっかりと確かめたわけではありませんが)

そして、その諮問に対して、審議会は答申という形で知事に報告することになります(53条、44条)この答申は、「公益法人information」より確認することができます。

この仕組みを理解していなかったため、公益認定による登記に必要な「認定を受けたことを証する書面」(整備法第158条1号)の差出人が当初はわかりませんでした。

私はてっきり公益認定等委員会名義の認定書でもでてくるんだろうなとおぼろげに考えていたのですが、いざ実際にだされたものは、知事名義の認定書でした。

知事が、「整備法44条の規定により公益財団法人として認定する」みたいです。

なるほど、これで、まずは「認定を受けたことを証する書面」はクリア。

では、次に必要となる定款(整備法第158条2号)は、問題ありませんね。一番なじみがあるかも。もちろん、新しい公益法人の定款になります。

次に、「定款変更の手続をしたことを証する書面」。

続く

2009年12月26日 (土)

旧民法法人の今後の手続の道筋(メモ)

12月月末になるにつれ、めずらしく多忙をきわめ、ブログの更新が著しく滞っておりました。久しぶりに徹夜近いものが数日続き、休日出勤は当たり前で体力的にはかなりきついですね。

明日で最終日ということで、まずは書類の準備のめぼしが付いたことからちょっとした記事を。この12月に、始めて公益法人への移行認定についての登記を担当しましたので、今後の参考及び自分のための備忘録として残してきます。

旧民法法人は、整備法40条、42条により「特例社団法人」、「特例財団法人」とされています。定款のみなし規定は、特例社団法人は整備法80条、特例財団法人は整備法89条に規定されています。また、登記に関する経過措置は、77条、78条、79条に定められています。差し当たり、このあたりの条文を押さえておくことがスタートになりそうです。

では、旧民法法人が

①移行認定を受ける場合(整備法44条)
公益目的事業を行うか否かがポイントとなり、認められた場合は、「公益」へ。
登記事項:整備法106条
添付書類:整備法158条

②移行認可を受ける場合(整備法45条)
 公益目的支出計画がポイントで、認められた場合は、「一般」へ。
 登記事項:整備法121条
 添付書類:整備法158条

③5年以内に移行認可も移行認定もしない場合~平成25年11月30日までに
 Game over (整備法46条)解散

ということになります。

公益への移行について

整備法98条からが各論になっています。認定法7条による認定ではなく、あくまでも整備法に基づいて移行することになっています。しかし、ほぼ、認定法の規定を準用していますね。

では、次回は公益認定に関する登記の各論を記載したいと思います。

2009年12月18日 (金)

2009上場廃止実態調査(帝国データバンク資料より)

帝国データバンクより、上場廃止の推移に関するレポートが掲載されています。

http://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p091203.pdf

親子上場の廃止が、件数的に多いですね。民主党の公開会社法(案)についても、親子上場についての意見が入ってましたし、この流れはますます顕著になっていくんでしょうね。

そもそも親子で上場っていうのはなんでかなぁと考えてしまいます。

では、報告までに。

2009年12月14日 (月)

有限会社が吸収合併存続会社となる?の補足

過日、有限会社が吸収合併存続会社となる?なるテーマで記事をかかせていただきました。

この記事に対して、諸先輩方より貴重なコメントをいただきましたので、今回はその補足という形で記事にさせてい頂こうと思います。

有限会社が存続会社となる吸収合併は整備法において禁止されているところです(整備法37条)。しかし、存続会社となる有限会社が株式会社への移行を停止条件とする合併の場合にはこれを行うことができます。

この点について、『商業登記ハンドブック』568頁(初版)によれば(2版は未読のため…)、

「解釈論にわたる部分であるが、特例有限会社が商号の変更により通常の株式会社に移行することを停止条件として、自らが吸収合併存続会社又は吸収分割承継会社となる合併又は会社分割については、会社法整備法37条に抵触しないものとして、現在の登記実務上は許容されている。」

と述べ、渡部吉俊「会社法施行後における商業登記実務の諸問題(4)」登記情報546号(2007,5)30頁を引用する形で次のように述べています。

「この場合には、吸収合併契約(法749条1項1号)に特例有限会社の商号のほか、商号変更後の商号を記載し、当該合併が通常の株式会社となることを停止条件とする旨をも記載した上、債権者保護手続に係る公告(799条2項)においても、これらの事項を記載し、かつ、最終事業年度に係る貸借対照表の要旨の内容(同項3号、施199条7号)を示す等の方法によることが考えられる。」

この論拠は、商号変更を停止条件とすることに置いています。そのため、施行規則199条についても株式会社に移行することを条件にした「7号」の適用になると解されています。

補足として、またはしもと様に対するお返事として、本文において換えさせていただきます。今後ともよろしくお願いいたします。

では、また。

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2009年12月11日 (金)

法制審議会民法部会第1回会議(資料編)

平成21年11月24日開催された第1回の法制審議会民法部会がアップされています。

http://www.moj.go.jp/SHINGI/091124-1.html

普段、見慣れている(はず)の契約書類型に及ぼす影響は必死ですので、今の段階から捕捉しておかなければとは思います。

しかし、まだNBL904号を購入していないていたらくな状態であります。

見所は、定着した判例解釈を条文に組み込むところではなく、逆に、なにを条文に組み込まないようにしたかというところかと思います。

すなわち、明文化されないということは、まだ解釈の余地がある、または、今後の変更の可能性がある、実務慣行に任せる等、複数の可能性が考えられますが、この点が実務の注意点になるのではないかと思われるからです。

明文がない根拠を知っておくことは大切だと考えています。

では、よい週末を。下をクリック。

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2009年12月10日 (木)

相続登記の原因日付

今月は、年末のため多少なりとも忙しい感がありますので、ブログ更新が滞ると思います。この忙しさは残念ながら仕事ではなく忘年会です(報告)

さて、不動産の登記簿謄本は毎日ご覧になられることだと思います。私も謄本を手に取ると、まず履歴が載っている場合には一通りその概観を眺めます。そうすると、あぁ相続があったけど長いこと登記申請しなかったのはなにかもめていたのかなとか、次郎が取得しているがこれは、二男に間違いないので、長男はどうしたとか勝手に想像をめぐらすところです。

そんな相続ですが、この間ふとみた原因にこんなことが記載されていました。

「平成○年△月推定△日夜から×日の間相続」

私が関与したいままでの相続登記は、100パーセント、「○月△日相続」というふうに、日付けが特定されておりました。なるほど、日付けが特定できない場合には、戸籍謄本にも標記のような記載がなされ、それを登記に反映させるのですな。

初めての記載に戸惑いました。

また、この登記に到るドラマには、相続人の方には大変なご苦労があったと考えるのは想像に難くないところです。死亡届を区役所に提出するまで大変なご苦労があったのではと。

登記簿謄本には人の人生や背景が投影されます。これからもう少し、登記依頼があった際には人の思いを組める司法書士になれたらなと思いました。

一筆入魂ではないですが、気合をこめてオンラインのボタンを押そうと思います。

では、また。

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