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2012年5月14日 (月)

facebook始めました

いまさらですが、facebook初めてみました。人とのつながりを通して新たな発見ができればと思っております。
ブログには、下のほうにリンクを張ってあります。

取り急ぎ、ご報告まで。
では、また。
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2012年4月27日 (金)

監査・監督委員会設置会社に関する雑感②

(前回のつづき)

監査・監督委員会設置会社につき、
監査役設置会社からのアプローチに対しては、監査・監督委員会は取締役会内にあり意思決定に関与するから自己監査となるのではないかという批判があがります。
一方で、委員会設置会社からのアプローチに対しては、指名委員会、報酬委員会を強制していないからガバナンスが弱まるのではないかという批判があります。平成14年当時の法制審の議論でも・指名・報酬・監査の各委員会が置かれるからこその委員会設置会社が認められてきたというところがあります。
(※監査・監督委員会についての議論の中で委員会設置会社自体のあり方についてもっと議論をすべきだ、抜本的な見直しされも辞さない覚悟での議論もありだと思うのですが、このあたりは割愛します)

私はそれらの批判に対しては、次のとおり考えております。

まず、監査・監督委員設置会社では、委員会設置会社にくらべて報酬・指名委員を置かないので、執行と監督の分離が甘いという批判があるが、現行のサラリーマンが出世街道の到達点としての取締役がある以上、現状でも事実的に執行と監督の分離が進んでいないのではないか。よって、当該批判は、監査・監督委員会設置会社にのみ向けられた批判ではなく、すべからくの機関設計を採用している現状の会社に対する批判にしかなり得ないのではいでしょうか。
法律上の執行と監督の未分離を論ずると同時に、事実上の執行と監督の未分離にもしっかりと目を向ける必要があるのではないでしょうか(法律論からの監査・監督委員会設置会社に対する意見ではありませんが…)

監査役設置会社からのアプローチに対する批判に対しては、
自己監査ではない、会社から独立した監査役では、内部統制システムをフル活用することができず、その監査実行力に問題があるのではないか。この度重なる監査役の制度改正(監査役の権限強化)でもいまだに、ガバナンスが十分ではないというのは、監査役の権限に対するガバナンス効果に幻想的なところがあるのではないでしょうか。そのため、監査・監督委員会の委員が、形式的な自己監査であっても従前の監査役による監査より権限強化ととらえることができるでしょうから、自己監査であるといっても、その弊害は小さく批判は的を得ていないのではないでしょうか。

どうも、議論自体が煮え切らない印象をもつ監査・監督委員設置会社ですが、これらの議論があっても、おそらく当該制度は、法制審議会で審議され、立法されると考えています。というのは、監査・監督委員会設置会社を採用しなくても当該機関設計は選択的なため、いやなら採用しなければすむことです。すると、ガバナンス強化の反対勢力と目される経済団体としては、強制適用される機関設計ではないので、積極的に当該制度に反対の姿勢をとる必要がないためです。

制度の導入に反対するアドバルーンを上げることは、少なくとも当該制度では、監査・監督委員会には社外取締役をひとりは導入することとなりますが、その延長上に監査・監督委員会設置ではなくとも社外取締役の導入の機運が高まることへの防波堤といった意味でしょうか。

これまでの議論が、監査役設置会社と委員会設置会社からの足し算引き算の成果として監査・監督委員会設置会社ができるとしたら、まさに仏を作って魂をいれずになり制度の利用は絵に画餅に帰することになるでしょう。

中間試案パブリックコメントを受けて、この監査・監督委員会の制度がどこまで進化していくか注視する必要がありますね。
今回は、制度の出自に関するところに意見が集中しましたので、当該制度の内容が固まった際には、その中身についてもいろいろと思うところを書こうと思います。

では、また。

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2012年4月26日 (木)

監査・監督委員会設置会社に関する雑感①

休肝日をとることがいいとは、いまだに科学的に証明されていないようです。自分に都合のよいことばかり鵜呑みにしてしまいます(報告)

さて、コーポレートガバナンスの大きな柱として、「監査・監督委員会設置会社」を導入する試みが会社法制部会で議論されております。私は、過日当ブログに記載しておりました社外取締役の選任義務付けについてA案、B案でもなく現行どおりのC案を支持する立場ですが、この監査・監督委員会設置会社に関しましても現行維持、すなわち導入には反対であります。

その理由を今回は、自分用のメモとして残しておこうと思います。

この制度の議論の嚆矢は、社外取締役を義務付けた場合には社外監査役を導入している会社(335条3項)の重複感・負担感があること。一方で、社外取締役の選任が必要な別の期間設計である委員会設置会社がいまだに日本で浸透(活用)されていない状況から生まれてきたと考えております。

法務省サイドからしてみれば、将来的に取締役会の構成員の過半数を社外取締役にしたい意向が見え隠れしますが、いきなりその案を提案しても現実的にただちに受け入れられるわけではなく、蹴散らされるのは目に見えているわけで、その布石を打っておきたいわけと勝手に推測しています。

一方で経済会としては、ひとりでも社外取締役を入れたくはないわけです(昨今紙面をにぎわしております日立は例外です)。なぜか?会社の実情に詳しくないものを社内の中枢に入れたくない思惑と、サラリーマンの出世街道の到達点としての取締役という役職がある現状の中、その貴重な員数の少なくともひとりを社外から招聘することは受け入れられないからでしょう(あくまでも自分の推測です)

しかし、どうやら今回の法制部会では、社外取締役の少なくともひとりの導入は不可避になってきたようです(これをアメリカの陰謀論というつもりはさらさらないですが、従来でておりました「日米規制改革および競争政策イニシアティブに基づく日本国政府への米国政府要望書」にも規制緩和の方向で常々でておりました)。また、民主党のWTで社外取締役の選任義務化導入見送りということも聞きますが、会社法制部会とは基本的に関係がありませんので、念のため(WTの審議経過をみることができないので、なんともよくわからないニュースですが)。

すると、法務省の利害と経済界の利害の妥結点(奇妙な一致として)として、その中間地点となる「監査・監督委員会制度」がでてきたのではないでしょうか。

諸外国の法制度で、このような監査・監督委員会制度がどうなっているのか等の調べものをまだしておりませんので(米国のモニタリングモデルについても実際よく理解しておりません)、いまいちよくわからないところですが、どうも今回のこの制度は、中途半端ではないかとまずもって思ってしまいます。
※ちなみに、中途半端であっても、ガバナンス改革の一里塚であるとする解釈もあろうかと思いますが私はそうは思いません。

では、この制度を分析する端緒はどこにあるのでしょうか。この玉虫色的な導入経過にいわば特徴があるわけですので、監査役設置会社の社外監査役を取締役会の中に移行した形、いってみれば監査役を取締役にした形とみることがあります。一方で、導入が進んでいない委員会設置会社の報酬委員会・指名委員会を除いた形として理解する形もあります。

これらの視点の枠組みから、下記のとおりの批判が出てきます。

監査役設置会社からのアプローチに対しては、監査・監督委員会は取締役会内にあり意思決定に関与するから自己監査となるのではないかという批判があがります。
一方で、委員会設置会社からのアプローチに対しては、指名委員会、報酬委員会を強制していないからガバナンスが弱まるのではないかという批判があります。平成14年当時の法制審の議論でも・指名・報酬・監査の各委員会が置かれるからこその委員会設置会社が認められてきたというところがあります。
(※監査・監督委員会についての議論の中で委員会設置会社自体のあり方についてもっと議論をすべきだ、抜本的な見直しされも辞さない覚悟での議論もありだと思うのです)

私はそれらの批判に対しては、次のとおり考えております。

続く

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2012年4月25日 (水)

中間試案によせられた意見

中間試案に寄せられた意見書は法務省のHPからも閲覧できますが、現物の記載先をメモしておきます。
監督機能の強化については、経団連VS投資家の図式で見るときに、それぞれの意見書を参考にするとおもしろいですね。ガバナンスの強化は、経団連、いわば経営者側としてはおもいろい話ではありませんので、そりゃ抵抗するでしょう。ガバナンスの強化にインセンティブを与えるような仕組みもなかなか難しそうですしね。


全銀協
http://www.zenginkyo.or.jp/abstract/opinion/entryitems/opinion240116.pdf

大阪弁護士会
http://www.osakaben.or.jp/web/03_speak/index.php

司法書士会連合会
http://www.shiho-shoshi.or.jp/association/info_disclosure/opinion/opinion_detail.php?article_id=94

日本公認会計士協会
http://www.hp.jicpa.or.jp/specialized_field/post_1597.html

日本内部監査協会
http://www.iiajapan.com/info/information.htm#120131

日本取締役協会
http://www.jacd.jp/news/law/120130_post-79.html

日本弁護士連合会
http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2012/120118.html

東証
http://www.tse.or.jp/news/09/120130_a.html

監査役協会
http://www.kansa.or.jp/news/information/post-219.html

経営法友会
http://www.keieihoyukai.jp/activity/comment.html

経団連
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2012/007.html

経済同友会
http://www.doyukai.or.jp/policyproposals/articles/2011/120130a.html

21世紀政策研究所
http://www.21ppi.org/archive/reg.html

ACGA
http://www.acga-asia.org/public/files/ACGA_Japan_Statement_2009_Dec15_Japanese.pdf

では、また。

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2012年4月18日 (水)

レバレッジリーディング(平成24年29冊)

会社法改正やら、ネタ元は豊富にあるにもかかわらず、準備不足のため、いつもの読書記録。
私は、要領が悪いので、この手の本はよく読んでおります。にもかかわらず、要領がいまいちよくならないのは我ながらなさけないところですけど…

『レバレッジリーディング』 本田直之 (2006、東洋経済)
目 次
読書は戦略を持って
→なぜその本を読むのかという問題意識:自身が掲げている目的意識(人生の目標および現状の課題)があれば余計なところを読まなくて済む

まず、目次やあらすじを読んで自分にやくだつかどうかを判断。やくだつところはメモしていく→いちいち装飾に気を取られず、箇条書きでよい。ただし、それを何回も繰り返し読むことが大切
教養のための読書や趣味の読書ではない読み方を対象
読む前に読む制限時間を設ける→時間がたくさんあっても読むとは限らない
重要なポイントを抑え、それをどう生かすかが大切
新聞や雑誌は速報性には優れているが、情報が断片的
インターネットでは匿名性というか観点から信頼性に注意が必要

読書により、意識して自分に新しい刺激をあたえ、自分のやり方に固執したり、視野がせまくなることを防ぐ→ただし、意見を丸呑みにするのはよくない。

同じ種類の数種類の本を読んで同じことを書いてあるところはだれもが認める重要なところだと思ってよい

ビジネス書を選ぶ時は、ビジネス書の広告がもっともおおくでている日本経済新聞がよい

よいと感じたところはページを折ったり、線をひいていく(しばらくすると重要だとおもっていたところも記憶の中にうずもれるものであるから)
→ぼろぼろになるまで使うのがよい

読むスピードに緩急をつける→どこが大切か判断する力もつける。大事だと思ったらよく考える
参考として、タイトル、太字、囲み、まとめ部分


では、また。

2012年3月20日 (火)

あなたもいままでの10倍速く本が読める(平成24年28冊)

家で、積読になっている本の束をみるたびに、あぁもっと速く本が読めるようになりたい、ぐんぐんと知識を吸収したいという欲求に駆られるわけであります。そして、そのたびに標記のようないわゆる速読系の本を買い込み、またそれを積読にしてしまうという悪循環。

(積読が、50冊ぐらいになったら奥さんに白い目でみられるのは確実)

ようは、いつか読むだろうとか、読んで「なにかを吸収したい」などという、目的意識のかけらのない読書態度がすべての元凶であることはいうまでもなく反省(反省を生かせてないことこそ反省)

そこで、自分のための備忘録(自戒を込めて)として、メモがてらに。
(まぁ、速読はどっかの教室に通わないと無理っぽいな、本読んでできるぐらいならせわなし…)

胆は次のとおり。

ステップ1 準備
1.目的を明確(具体的)にする:効率的に脳を働かせるため
・その文章を読んで、最終的に何をしたいのか?
・その文章は自分にとってどのくらい重要か?
・どのくらい詳しい情報が必要か?
・目的を達成するために、いまどのくらい時間をかけることができるのか?

2.文章を読む理想的な状態(効率的に読む状態)に入る(30秒ぐらい)
・後頭部の後ろあたりに注意を固定する(集中力が大切)
・ページを抑えている手元もよくみえるぐらい


ステップ2 プレビュー
1.文章を調査する(本なら10分程度で可)
・調査するところは、本のタイトルとサブタイトル、表紙および裏表紙に書かれた文章目次、著作の日付、索引、
本の場合は、最初と最後のページ。その他の書類の場合は、章の最初と最後の段落
見出し、小見出し、および太字部分や傍点がつけられていた個所
囲み、図、表、およびその説明、概要、要約、章末の設問

2.キーワードを見つける
・本の場合は20~25個ぐらいのキーワード
・約20ページごとにページを開くぐらいでよい

3.読書方針の再検討
さらに詳しい内容が知りたいのかの検討


ステップ3 フォトリーディング
1.フォトリーディングの準備
・フォトリーディングした文章はなにかを問う
・今時間があるかを問う
・この文章からなにが得たいのかを問う

2.高速学習モードに入る
精神集中

3.アフォメーション(肯定的暗示)を行う
・フォトリーディングの最中は、完全に集中しているという暗示
・フォトリーディングした情報はすべて意識下にいつまでも残り、役に立つという暗示
・目標達成のために○○の情報を得たいという暗示

4.フォトフォーカス状態に入る(目の使い方)
ひとつひとつの語句にはっきりと焦点を合わすのではなく、一度にページ全体を眺める
見るではなく観る

5.ページをめくる間、安定した状態をたもつ
・1,2秒ごとに一定のリズムをたもつ
・ページをめくるリズムに合わせて単純な言葉を繰り返す(4,3,2,1等)

6.達成感とともにプロセスを終了する
・取り込んだ情報をどう処理すべきかを脳に指示する


ステップ4 アクティベーション(活性化)
1.ポストビュー
・全体構成の把握、要点整理、著者の主張が表現されたキーワードを書き出す
・最後にもう一度、文章全体に目を通しながら、興味のひかれた箇所を探す(最大15分)
・質問をつくる(答えはまだ探さなくてよい)

2.脳に問いかける
・成果をあげるためにはなにを知る必要があるのか?等

3.スーパーリーディング
さっきの質問の答え探し
→テキストを大きなかたまりごとにざっと見て行きながら答えが書かれた箇所を探す
本の中心を指でなぞりながら目を動かしていく→直観的に大事なところに目が行く

4.ディッピング
・スーパーリーディングで目にとまったところを理解できるほどに読む
(情報を得たらまた、スーパーリーディングに戻る)
記事の場合は、1~2段落。本の場合は、1~2頁
(読みながら内容を記憶しようと努力することは理解のさまたげになることも)

ディッピングによって記憶するわけではい
文章の構成を把握し、必要な情報を抜き出し、内容を整理し、頭の中で要約することを目的としている。その結果、文章に対する理解と記憶力が向上することになる

5.マインドマップ
スーパーリーディングとディッピングのあとに活性化した情報をまとめるのに有益


ステップ5 高速リーディング
具体的な質問はないけれど、もっと知りたいと思う場合に使う


では、また。

2012年3月19日 (月)

取締役会の監督機能(社外取締役の選任義務付けについて)③

また、民主党のWTでは、社外取締役を一部の企業に義務化(法律をもってか、東証規則をもってかは不明ですが)する方針があると、俎上にあがっています。しかし、民主党のHPをみていてもその議事進行結果についてはなんら触れてはいませんので、真偽のほどはわかりません(そもそもガバナンスについてWTで論じている中で、議事、少なくとも概要について情報公開していない(少なくとも私が探したところでは検索にひっかかりませんでした)というのはある意味笑い種になりそうです、ハイ)。
ただ、風説で聞いたところによりますと、不正防止のために社外取締役を導入するという論調のようです。

会社法制部会では、社外取締役の機能を下記の3つにわけています。
①助言機能:経営効率のための助言を行う機能
②経営全般監督機能:経営者の評価・選解任その他の取締役会における重要事項の決定に関して
議決権を行使(効率性の観点)
③利益相反監督機能:(健全性の観点)

この中で、①の趣旨を生かすためというのは、わざわざ法律で規定するのは、いわば「過保護」であり、会社が助言機能が欲しいのであれば、自ら率先して導入すればよい話です。したがって、①のみの理由で社外取締役を義務化しようという話はありえません。

問題は、②と③の機能を見た場合にどのように調整するかということでしょうか。
部会での意見を拝見していましても、どうやら平時は、②の機能、有事は③の機能を考えていると思われます。いってみれば、②・③のどちらかというよりは、②③の重層的な位置づけなんでしょうね。

③については、依然に敵対的買収が流行った際の独立委員会の議論とイメージが重なってしまいます(余談ですが、経産省の企業統治研究会での議論を思い出しました)

話が遠回りになりましたが、民主党のWTが考えている不正防止は、オリン○スやら、製紙会社の不正を念頭においておりそうです。しかし、私自身が違和感を覚えるのは、経営者自らの不正を防止することと、その他の者の不正防止を図ることは位置づけが大きく異なるからです。前者の経営者自身の不正防止を考えての社外取締役の導入は実効性に乏しいと思います。なぜなら、経営者自らが不正を行っている場合には、取締役会が正常に機能することはありえないので、取締役会を通した監督機能がワークしませんので、社外取締役を導入しても画餅に陥ってしまうでしょう。

部会で想定している経営全般の監督機能というのも、経営者自らの不正を監督するというよりは、企業体としてみた場合の全体的な不正防止(従業員の横領等についても内部統制の元では、企業体としてみた場合の問題であると思います)。

この前提をかえる、民主党の意見とはどういったものか大変(?)興味があるところです、ハイ。

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2012年3月16日 (金)

取締役会の監督機能(社外取締役の選任義務付けについて)②

前回の続き

私自身は、この社外取締役の導入義務化に対しては、違和感をもっております。今の現状を踏まえると、社外取締役をひとりいれたところでなんら変わらず、逆にコストばかりかかるのではないかと思っています。

そもそも、日本の会社における取締役会はどうなっているか。見聞した範囲で恐縮ですが、取締役は、従業員から昇格(?)してきた人ばかりですので、取締役会の構成員を見た場合に従来のサラリーマン上下関係が過去に出来上がっておるとうかがっております。いわば、取締役という職業が未発達なのではないかと推察しております。その影響下では、侃侃諤々と議論をする土壌がないのではないかと思っております(中にはものすごく議論がなされる会社もあると思いますが、誰もが島耕作のように独立した形をとれるものではありません)。議論ができているからこそ、公正な監督ができるはずであり、その公正な会議体の中では、社外取締役をひとりいれることには意味を見出すことは可能かもしれません。

また、監督機能の具体化として、選解任権がよくあげられ(特に解任権)ますが、上記のとおりサラリーマンとして長いこと、しかも同じ会社に籍を置いていた状態の中で、取締役を解任することができる土壌があるのかどうか非常に疑わしいところです。解雇が難しい日本企業では、終身雇用的な慣行が発達(?)しておりますので、従業員から、昇格して役員になったところで急に社長に対して意見を言えるとは到底考えられないのです。

「法律論」として考える場合に、解任権をもっている者に監督機能を担わせるということは理にかなっていると思いますので、確かに解任権を有する取締役をもって企業統治の強化を図るというのはよくわかります(監査役の権限強化よりも理にかなっていると思います)
しかし、上記のいわゆる土壌の問題は、法律の問題というよりは、日本の経営環境という「事実」の問題であるので、法律をもって解決するということにはなじまないのではないかというのが個人的な見解です。

経営が悪くなっているのに、役員としてずっと居座るのは確かに問題で、責任をとってやめるのが筋というのは至極まっとうな意見ですが、現状としては、株の持ち合いによる安定株主がいることで、株主の監視が働かず容易に代表者が変わることはありません。株価が低迷していてもなかなか日本の社長さんは変わることがないんですね。(それを考えるとソニーはガバナンスはうまく機能しているなと思うんですが…)
選解任権のある社外取締役を導入したとしても、ただちに首にしやすいということはないでしょう。

どなたの言説であったが、忘れてしまったのですが、「このような日本型の経営環境は、体でいうところの生活習慣病に罹っているところで、社外取締役という制度の導入という抗生物質を入れたところで体は、健康にはならない」とおっしゃられたと聞いたことがありますがなるほど、的を得ているなと思っているところです。

このような「生活習慣病」的な経営環境には、職業役員の育成や、株式の持合の解消といった事実上の解決策をもってあたらなければならないのでしょうね(もちろん、それらを促進でするインセンティブを与える立法を考える必要もあろうかと思います)。

そのような土壌が備わった場合に、「理屈」として社外取締役はどうあるべきかを考える必要があるのではないでしょうか。私自身はまだ、このあるべき論については混乱しております。

続く

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2012年3月15日 (木)

取締役会の監督機能(社外取締役の選任義務付けについて)①

中間試案のパブリックコメントが終了し、そのあとの部会もすでに終了してしまい完全に自分の見解をアップする機を失ってしまっておりました。しかし、日司連の意見書には目を通しておりますゆえ(報告)

まぁ、まだ自分の中で確定した意見があるわけではなく、備忘録的なものですので、少なくとも会社法改正案が確定するまでにいろいろと考えるのは有益かなと思っておりますので時期については(忙しさにかまけて)不問にしております。また、政治的な流れとして社外取締役の選任については終着地点が見え隠れしていますので、今更議論の嚆矢にするとはさらさら思っていませんので念のため。

さて、平成22年4月28日に第1回を向かえた会社法制部会ですが16回を終えたところで中間試案が公表されました。

この会社法制部会は、法務大臣の諮問機関である法制審議会の一組織です。今回も、「会社法制について,会社が社会的,経済的に重要な役割を果たしていることに照らして会社を取り巻く幅広い利害関係者からの一層の信頼を確保する観点から,企業統治の在り方や親子会社に関する規律等を見直す必要があると思われるので,その要綱を示されたい」との諮問から部会が開催されております。

諮問の性質上、かなり抽象的な文言になっていることから、部会ではそれぞれのお立場から、利害関係者が好き勝手いっているイメージが強かったですね(言葉は悪いですが)

特に、誰の立場かはいいませんが、政治の力っていうのはすごいですね。その立場からの主張が論理的に破たん、もしくは議論までの論理展開不足をしていることが一見明白なのですが、それ言い続けることが可能というのはすごいなと思ってしまいました。

さて、中間試案の冒頭にでてくるのが、取締役会の監督機能ということで、社外取締役の義務化についてあがっております。3案でております。

【A案】監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)において、一人以上の社外取締役の選任を義務付けるものとする。

【B案】金融商品取引法第24条第1項の規定により有価証券報告書を提出しなければならない株式会社において、一人以上の社外取締役の選任を義務付けるものとする。

【C案】現行法の規律を見直さないものとする。

みなさんの印象どおり、B案に落ち着く気配がぷんぷんするのですが、少し自分の中で考えを整理したいと思います。

社外取締役の議論がそもそも登場してくるのは、企業統治の向上の観点からです。なぜ、企業統治が問題となるのかですが、株式会社の場合には、理屈として所有(株式)と経営が分離しており、分離のために経営者を監督する必要があります。しかし、安定株主がいることや、一株主が監督を発揮するコストを考えるとなかなか難しい現実がありますので、有効な監督がなされていないことが挙げられます。

有効な監督ができていないということは、それらの会社に投資する人々に適切な情報が流れないことを意味します。そして、株式は投資家のみのものではなく、一般人であってもそれらの株式の利益に投資をしている銀行に預金を預けているように、一般の方々にも大変利害関係のあることだと証券がらみの方々はご発言なされます。

一方で、企業統治の向上を図るには、社外取締役の機能に着目する以外にも選択肢が多々あるわけです。監査役の権限強化や、内部統制の確保が挙げられますし、情報開示の強化もこの範疇に入ると思います。

そして、この社外取締役の導入の文脈では、監査役には代表取締役の選解任権がないので、その監査の限界がある→そもそも、首にできないのに、監査なんかできるのかという疑問→したがって、経営全般の監督機能を果たしえないのではないかと議論が展開されます。

その帰結として、会社の外部者として、適法性の問題だけでなく、「妥当性」の問題に関与できるかどうか、決議に参加できるかどうかという違いは大きいとして、社外取締役の導入の話が親和的になるところがあります。

まず、社外取締役の導入のメリット・デメリットをまとめてみますと、

【メリット】
・監査役の権限強化は限界にきているので、より充実した監督機能を備える必要がある
・会社経営者の自主的な取組だけでは不十分である

【デメリット】
・社外取締役の属性は形式的なもので、それをもって企業統治が実質的に向上するはずがない
・すでに社外が半数以上を占める監査役会があり、その監査役が取締役会で意見を述べれる以上、議決権行使まで不可欠であるということはいえない
・法で、社外取締役を義務化した場合にその違反した効果に疑義がでてくる(取締役会決議の無効)
・社外取締役を設置していない会社に現在ガバナンス上、重大な問題が生じているか
・社外取締役は、非常勤であり、会社の事業やリスクに精通するのには限界がある
・企業統治の向上には、「社外取締役を置く置かない」といった形式ではなく、いかに遵法精神が高くかつその会社の事業・組織をよく理解する経営者を得て、事業活動全体に対する監督を深化させるかということ、そして万が一にも不祥事が生じた場合には、その責任を負うべき者の責任を適切に問うといった規律を働かせることが重要である
・世界的に見て、株式市場が活況を呈している国には、必ず社外取締役が選任されているかの相関関係、因果関係の実証が不可欠なのではないか

ちなみに、これらのメリット・デメリットをどの業界団体が主張しているということには注目すべきです。中間試案に対する意見のまとめとして、部会資料19にまとまっています。特に経団連の意見には注目しておくべきです(個人的には法制審議会のメンバーにも目を通しておいたほうが立法の経緯に対する注意はより払えると思っています)。

また、社外取締役の導入する企業をどの範囲にするかは(A案とB案)、それぞれの論者によって違いますので、ひとえにメリット・デメリットとまとめましたが、ニュアンスは違うことに留意する必要があります。

上記では、デメリットのボリュームが大きいので、意見の総体としては反対が多数というのではありません。熱狂的な(?)反対派から多数の意見が出ているということですので、意見の多数によってどちらかが議論を優位に進めているというものではありません。

私自身は、この社外取締役の導入に対しては、違和感をもっております。今の現状を踏まえると、社外取締役をひとりいれたところでなんら変わらず、逆にコストばかりかかるのではないかと思っています。

つづく

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2012年3月12日 (月)

株券の交付と民法上引渡について

会社法改正も債権法改正も中途半端、会務活動も中途半端。なんだか疲れております(報告)

さて、私自身株式の譲渡について勘違いしておりました。
株券発行会社においては、株券の交付が株式の譲渡の効力発生要件のひとつになります(128条)。株券を「交付」しなければ、その「効力を生じない」とありますので。

では、この交付とはなんぞやということですが、私自身は、現実の株券を引き渡しのみを想定しておりました。法律的にいえば民法182条1項の現実の引き渡しというやつです。

会社法の条文の上では、「交付」とあります。「引渡」となっていないので、民法の占有について頭がついてきておりませんでした。

ところが、この「交付」について江頭『株式会社法』(第3版P210)によれば、簡易の引渡しや、占有改定または指図による占有移転でもよいとなっています。

現実の引渡がもっとも、取引の安全には資すると思いますが、その他の方法を当事者が選択するのであれば、問題なしというところなんでしょうか。

会社法の中の「交付」の概念全般にその射程が及ぶのかは定かではありませんが、少なくとも128条の範疇では新しい発見があったところです、ハイ。

では、備忘録ですみませんが、また。

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